笑福亭鶴瓶落語会@兵庫芸文
4月15日(土)兵庫県立芸術文化センター中ホールへ。
- 笑福亭瓶吾:看板の一
- 柳家喬太郎:紙入れ
- 笑福亭鶴瓶:死神(リニューアル版)
- 笑福亭鶴瓶:妾馬(八五郎出世)
2年前にこの会に掛けられたネタ「山名屋浦里」は後に歌舞伎になり、東京歌舞伎座で上演された。
鶴瓶の弟子・瓶吾は現在53歳とのことで(入門は平成元年)、そんな年にもなって前座を務めてていて暮らしていけるのかな?と余計な心配をした(娘がいるそう)。
喬太郎の「紙入れ」は過去に2回聴いている。
鶴瓶の「死神」はリニューアル前も聴いているが、面白くなったようには感じなかった。三遊亭円朝のオリジナルでは爺さんの死神を鶴瓶版は若い女に変えているのだが、そもそもこの改変自体が効果的とは思えない。今回のリニューアルで「無意識」という言葉が繰り返されたのにも違和感を覚えた。確かに「死神」はユング心理学で言うところの無意識の噺だが、古典落語にこの語彙が飛び出すのはどうも……。
「八五郎出世」が「妾馬(めかうま)」と呼ばれるのは、噺の後半部で分かるのだが、現在後半が演じられることはほぼない。鶴瓶版も同様。で「死神」はいまいちだったけれど、家族の噺だからと鶴瓶が今回ネタおろしした「妾馬」は良かった。
僕は江戸落語が大嫌いだし(喬太郎は除く)、「妾馬」も気に入らない。あの人情の押し売りが我慢ならない。ところが鶴瓶版は滑稽噺に軸が傾いており、お涙頂戴があまりなかった。酔っ払い芸は笑福亭一門のお家芸だし、侍に取り立てようとするお殿様の申し出を八五郎がきっぱり断る最後は溜飲が下がった。そう来なくっちゃ!
- 上方落語(関西)と江戸落語(関東)の比較文化論〜その深層心理を紐解く
↑「妾馬」についても触れた。
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