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ディズニー実写版「美女と野獣」

評価:A+

Beautyandthebeast

完璧な実写映画だ。

アニメーション映画史上初めてアカデミー作品賞にノミネートされたディズニーの「美女と野獣」を1992年日本公開当時に僕は映画館で観ている。何と今から25年前!その後、歌が完成していながら制作中にカットされたナンバー「人間に戻りたい(Human Again)」が追加され、上映時間が8分長くなったIMAX版も2002年にサントリーミュージアム天保山@大阪(現在閉館)で観た。因みに「人間に戻りたい(Human Again)」はIMAX版より先にブロードウェイ・ミュージカル版で復活・上演されていた(1994年初演)。

今回の実写版は紛うことなきGay (LGBT:L=レズビアン、G=ゲイ、B=バイセクシュアル、T=トランスジェンダー) Movieである。ビル・コンドン監督、ガストン役のルーク・エヴァンズ、コグスワース役のイアン・マッケランはゲイであることをカミングアウトしている。ディズニーは確信犯だ。

ル・フウは明らかにゲイとして描かれているが直接的な描写は一切ないので、小中学生に観せても一向に構わないだろう。親御さんは安心して子どもたちを連れていけばいい。

振り返ってみると僕が初めて「アラビアのロレンス」(1962)や「太陽がいっぱい」(1960)を観た時は中学生だった。でもロレンスやリプリーがゲイだということは一切判らなかった。多分映画公開当時に気が付いた大人も殆どいなかっただろう(淀川長治氏を除いて)。隠された真実を見抜くまでに僕はかれこれ20年以上を要した。「ベン・ハー」(1959)の主人公とメッサラ、「マイ・フェア・レディ」(1964)のヒギンズ教授とピッカリング大佐がゲイ・カップルだということを知ったのもつい最近のことだ。

そういえば実写版「美女と野獣」冒頭でベルが歌うシーンは「マイ・フェア・レディ」におけるコヴェント・ガーデンの場面を彷彿とさせる。「マイ・フェア・レディ」のジョージ・キューカー監督はゲイであり、美術および衣装を担当したセシル・ビートンはバイセクシャルだった。

今回の「美女と野獣」は映像がレインボー(キャンディー)・カラーでカラフル。これはジャック・ドゥミ監督「シェルブールの雨傘」を想い起こさせる。因みにドゥミは「美女と野獣」の作詞家ハワード・アッシュマン同様、AIDSで亡くなっている。

音楽について。ティム・ライス(作詞)、アラン・メンケン(作曲)による3つの新曲がどれもいい!メンケン完全復活か!?ただ、「人間に戻りたい(Human Again)」がまた消えたのが哀しい。

僕は「プレミアム吹替版」で観たが、このキャストが超豪華!山崎育三郎(野獣)、昆夏美(ベル)、岩崎宏美(ポット夫人)、村井國夫(モーリス)、吉原光夫(ガストン)、島田歌穂(プリュメット)と舞台ミュージカル「レ・ミゼラブル」出演経験者が6人もいる。またルミエール役の成河(ソンハ)は山崎育三郎と共にウィーン・ミュージカル「エリザベート」2016年公演でルイジ・ルキーニのダブル・キャストを務めた。実力派揃いなのである。

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コメント

お久しぶりです。
この映画のレビューを待ってました。
俺も近いうちに行きたいのですが、時間がとれずに困っております。
一度目はオリジナルの声を聞きたいので字幕版にしようと思いますが、雅哉さん2回目見るならどっちで見ます?

投稿: S | 2017年4月26日 (水) 15時20分

Sさん、二回目を観るなら迷わずIMAX字幕版です。マダム・ド・ガルドローブ役のオードラ・マクドナルドの歌声が聴きたいんですよ。彼女はミュージカル「回転木馬」「ラグタイム」やストレート・プレイなど合わせて6回トニー賞を受賞しているという大女優なんです。これは役者として史上最多。演劇界のメリル・ストリープですね。

投稿: 雅哉 | 2017年4月26日 (水) 20時49分

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