面白きことは良きことなり!/アニメーション映画「夜は短し歩けよ乙女」
僕は本屋大賞で第2位になり、山本周五郎賞を受賞した森見登美彦(奈良県生駒市出身、京都大学農学部卒)の小説「夜は短し歩けよ乙女」が大好きで、繰り返し愛読している。21世紀に書かれた日本の小説の金字塔ではないかとすら本気で想っている。同じ原作者の「四畳半神話大系」は2010年にテレビアニメ化され、大傑作だった。そのことは当ブログで語った。
上記事でも「夜は短し歩けよ乙女」アニメ映画化希望を切望したが、なんと湯浅政明(福岡県出身)監督、劇団「ヨーロッパ企画」の上田誠(京都府出身)脚色、イラストレーター中村佑介(兵庫県宝塚市出身)がキャラクター原案、大島ミチル(長崎県長崎市出身)作曲、主題歌を歌うのがASIAN KUNG-FU GENERATIONで、「四畳半神話大系」のスタッフ再集結という夢のような企画として実現した!
評価:A+ 公式サイトはこちら。
上映時間93分と極めてコンパクト。疾走感があり、湯浅監督らしいシュールで誇張された表現が極めて愉しい。奇想とデフォルメされた幻想が錯綜する。摩訶不思議なワンダーランドをひととき満喫した。
「詭弁踊り」は文章として親しんできたが、映像化されたその奇っ怪な踊りにぶっ飛んだ!!あとゲリラ演劇「偏屈王」がミュージカル仕立てに変更されており最高。その音楽は「ラ・ラ・ランド」みたいに洗練されておらず、いかにも大学生が作曲しました的な素人っぽさがツボにはまった。クライマックスは湯浅監督の「マインド・ゲーム」並にキテる(イカれてる)。←褒め言葉です。
声優陣は先輩:星野源、黒髪の乙女:花澤香菜(新海誠「君の名は。」のユキちゃん先生/「3月のライオン」の川本ひなた)、学園祭事務局長:神谷浩史(「進撃の巨人」のリヴァイ)と超豪華。3人とも歌います。またミュージカル界から新妻聖子も参加している。
小説には偽電気ブランなるお酒が登場するが、それに刺激されて電気ブランを飲んだこと、
また劇中で重要な役割を果たす絵本「ラ・タ・タ・タム」を購入し、息子に読み聞かせたことなどを映画を観ながら懐かしく想い出した。
なお入場者特典として森見登美彦 書き下ろし掌編小説『夜は短し歩けよ乙女 銀幕篇』が公開1週目に「先輩」から「乙女」への手紙、公開2週目には「乙女」から「先輩」への手紙が配布されるという。
東宝と原作者の森見登美彦に言いたい。「恥を知れ!しかるのち死ね!」……仕方ないから次週も映画館に足を運ぶわ。
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