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2017年3月17日 (金)

ファウスト✕ケラス✕メルニコフ/史上最強のピアノ三重奏

2月28日(火)いずみホールへ。

Schu

イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、ジャン=ギアン・ケラス(チェロ)、アレクサンドル・メルニコフ(ピアノ)を聴く。

  • シューマン:ピアノ三重奏曲 第3番
  • カーター:エピグラム (2012)
  • シューベルト:ピアノ三重奏曲 第1番
  • シューマン:ピアノ三重奏曲 第2番 第3楽章(アンコール)

ファウスト✕メルニコフでブラームスのソナタを聴いた時のレビューはこちら。ファウスト単独でバッハの無伴奏を聴いたレビューはこちら。ケラスはアルカント・カルテットの一員として以前聴いた(こちら)。

シューマンは憂鬱で瞑想的。沈思黙考という雰囲気。第3楽章は鬱屈しているが、第4楽章は一転して伸びやかで華麗。

カーターが死の直前、21世紀に書いたエピグラムは現代音楽の最前衛を駆ける楽曲で面白い。

僕がシューベルトのトリオ第1番と初めて出会ったのは小学生の時。NHK-FMで放送されたスーク・トリオの演奏をテープ・レコーダーにエア・チェックし、繰り返し聴いた。1975年、日本コロンビアのスタッフが録音機材をチェコに持ち込んで録ったPCM録音で、ヨゼフ・スーク、ヨゼフ・フッフロ、ヤン・パネンカによる演奏だった。後にパネンカは指の故障でピアノを弾けなくなり、ヨゼフ・ハーラに交代する。結局トリオの第2番を聴いても何だかピンとこず、今でも第1番を愛聴している。

名手3人の演奏だけに一分の隙もない。明朗で簡潔な美しさがあり、ファウストは決して出しゃばらず禁欲的。ケラスには歌心があり、メルニコフのタッチは繊細でニュアンスに富む。パーフェクト。

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