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2017年3月 4日 (土)

生田絵梨花(乃木坂46)vs. 新星・木下晴香/ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」

梅田芸術劇場でミュージカル「ロミオ&ジュリエット」を観劇した。

山崎育三郎・城田優のダブルキャストで上演された2011年の感想はこちら

古川雄大・城田優のダブルキャストで上演された2013年版はこちら

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2月22日大阪公演初日のキャストは、

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その他の主なキャストはキャピュレット夫人:香寿たつき、キャピュレット卿:岡幸二郎、乳母:シルビア・グラブ、ロレンス神父:坂元健児、ヴェローナ大公:岸祐二。

木下晴香は日本テレビの番組「全日本歌唱力選手権 歌唱王 2015」で決勝進出したことで注目を集め、今回はオーディションを受けてジュリエット役に抜擢された。現在高校3年生だそうである。聴いていて凄く気持ちが良い。これだけ歌えるんなら「ミス・サイゴン」のキムだって、「レ・ミゼラブル」のエポニーヌだってなんでも来いだ。正にスター誕生だね。「マイ・フェア・レディ」のイライザも、宝塚男役出身の40歳過ぎたおばさんたちはもういいから、こういう若い子に演ってもらいたい。そしたら観に行くよ。

スペシャルアンコールで写真撮影O.K.ということだったのでパシャリ。

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3月1日のキャストは

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生田絵梨花は橋本奈々未の卒コンを含む乃木坂46の「5th YEAR BIRTHDAY LIVE」@さいたまスーパーアリーナを2月20−22日までこなし、24日は13時30分からの昼公演に出演。27日昼公演まで消化して28日は東京・帝国劇場で開催された「レ・ミゼラブル」製作発表記者会見にコゼット役として登壇(写真付き報道記事はこちら)、その翌日に僕が観た大阪公演に出演した。さすがトップ・アイドル、凄まじい過密スケジュールである。

正直演技経験のない娘なので、芝居は学芸会レベル。歌に感情を込めることも出来ない。だからむしろ脇を固めるシルビア・グラブや香寿たつきらベテランの巧演が光った。しかしなんてったってアイドル。可愛いことは正義である。またロミオ役の古川雄大は長身・小顔のイケメン王子様なので、ふたりが並ぶとまるでひな人形(男雛と女雛)のよう。その美しさにうっとりした。あと当然ベッドシーンがあるので生ちゃんの背中が拝めるのだが、本当に綺麗だった。彼女は幼少期からピアノを習っているので恐らく絶対音感を持っているのだろう。音程は全く外れないので歌唱力という点では(意外にも)木下晴香と互角の勝負であった。演技力も含めた総合評価では木下に軍配が上がるだろう。でも「レ・ミゼ」のコゼットは全く演技力を要しないお人形さんみたいな役なので、生ちゃんの出演回は観たい。

ロミオについて。大野拓朗はフツー。断然、古川雄大の方がいい。

ティボルトは渡辺大輔より広瀬友祐。悩める感じがセクシー。

ベンヴォーリオは馬場徹の飄々とした雰囲気に好感を覚えた。ユーモアがある。

「死」のダンサーは宮尾俊太郎(K バレエ カンパニー)も大貫勇輔も文句のつけようがないくらい素晴らしかった。あれだけ跳躍が出来るなんて凄い。このダイナミズムは女だけの宝塚歌劇版では味わえない(僕は2010年、宝塚星組による日本初演から観ている)。

小池修一郎による演出について。2011年版では古代ローマ遺跡を背景に、キャピュレット家とモンタギュー家の亡霊が現代に現れるというコンセプトだったのだが、今回は一新された。まず爆撃機が爆弾を落としている映像が流される。目標となっているのはイラクか、どこかイスラム圏の街のようだ。そして廃墟と化した建物の骨組みに亡霊たちが現れる。やがて背景にニューヨークの摩天楼のような風景が映し出され、ティボルトの死とともにツイン・タワー(World Trade Center)が崩壊する。

いや、言いたいことは分かるよ。憎しみの連鎖は現代でも続いているってことでしょう?ただルックがニューヨーク郊外のスラムに見えるので、これじゃまるで「ウエストサイド物語」だ。あかんのちゃう?僕は旧演出の方が好きだなぁ。

大阪公演初日はイケコ(宝塚ファンの間での小池の愛称)の舞台挨拶もあった。「お客様の熱気で舞台上の幕が浮いてまくれ上がってしまいました。これからどうしようか検討中です」とかいった内容で、「どうでもええわ。そんなんききたいちゃうねん」と内心でツッコミを入れた。しかし確かに2回目に観劇した時、その問題は修正されていた。

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コメント

僕はこのミュージカルに縁があって「ウィーンミュージカルコンサート」で聞いたのが初めてで、宝塚版は梅芸での初演の初日から見ています。東宝版も初演を見ていますが、歌・演技とも満足できたけど、演出が面白くない。なにも、電子メールとかファックスとか出す事ないのに、これなら宝塚版の方が良かったと思いました。小池演出の悪い所はやり過ぎ。今回の公演も食指は動いたのですが、やめときました。雅哉さんのレポートを読んでやめといて正解だったと思いました、きっと、歌演技はには満足できても、演出には満足できなかっただろうと思いましたから。

投稿: 最後のダンス | 2017年3月 6日 (月) 00時38分

最後のダンスさん、コメントありがとうございます。僕は小池修一郎さんを宮本亜門さんと並ぶ、ミュージカル演出の巨匠だと高く評価しているのですが、「やり過ぎ」というご意見には同意します。今回も何も新演出にしなくても……と感じました。「モーツァルト!」なんかは初演から殆ど変えていないんですけどね。あと気になったのはベンヴォーリオが「メールを一斉送信!」とかするんですけれど、スクリーンに映し出されるのはどうもLINEみたいなんですよ。区別ついてるの?と疑問に思いました。

小池さんは今度の「グレート・ギャツビー」の新演出、新音楽に期待しています。菊田一夫演劇賞を受賞した宝塚版はDVDで観たんですが、大いに不満が残りましたので。特に音楽が駄目だった。

投稿: 雅哉 | 2017年3月 6日 (月) 08時16分

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