アカデミー賞外国語映画部門ノミネート「ヒトラーの忘れもの」
評価:A-
映画公式サイトはこちら。デンマークとドイツの合作である。米アカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされているが(デンマーク代表)、受賞は無理。多分「ありがとう、トニ・エルドマン」(ドイツ)か、番狂わせがあっても「セールスマン」(イラン)に行くだろう。
邦題が良くないと想うんだ。柔らかいオブラートに包み過ぎ。東京国際映画祭で上映されたときは「地雷と少年兵」だった。ストレートだけれど、きちっと内容を伝えている。原題は"Under sandet"直訳すると「砂の下」となる。地雷原のことね。英題は"Land of Mine"で「地雷の土地」。
ヒリヒリと胃が痛くなるような映画だ。観ていて辛い、しかし目を背けてはいけない。これが現実。地雷除去を命じられるドイツの少年たちが本当に可哀想。彼らには何の罪もないのに。そもそも選挙権すらないのだからナチス党に投票したわけでもないしね。大人の罪・過ちを子どもたちが贖わなければならないのだ。
最後に救いはあるのだが、ちょっと甘いかな。過酷さを貫き通して欲しかった。「サウルの息子」みたいに。
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