「満喫!楽聖ベートーヴェン」いずみシンフォニエッタ大阪 定期
2月11日(土)いずみホールへ。
飯森範親/いずみシンフォニエッタ大阪の定期演奏会を聴く。
- シュネーベル:ベートーヴェン・シンフォニー (1985)
- ベートーヴェン:大フーガ (弦楽合奏版・川島素晴 編)
- 西村朗:ベートーヴェンの8つの交響曲による小交響曲 (2007)
- ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第5番「皇帝」
(ピアノ独奏:若林顕)(川島素晴 編)
主菜(Main dishes)に先立ち、恒例のロビーコンサートもあった。
シュネーベルの曲は《Re-Visionen》シリーズの1つ。有名なベートーヴェンの交響曲第5番ハ短調 第1楽章を分析/再解釈し、改作による幻想曲に仕上げましたといった趣き。まず冒頭「ダダダダーン」の三連打がない。けったいなアレンジだけどおもろい。この曲に秘められた叙情性が浮き彫りにされたという印象。
川島素晴が編曲した「大フーガ」弦楽合奏版はオリジナルの厳しさが薄められた。何だか視界がぼやけた感じ。
西村朗の曲は2007年12月初演時のレビューを書いているので、そちらをご覧あれ。
ベートーヴェンの交響曲第1番から8番までの全楽章を短時間でつまみ食いできますよという趣向。このパッチワークのノリは昔流行った「フックト・オン・クラシックス」(1981年全英アルバム・チャート第1位!)を彷彿とさせるものがある。若い人は知らないでしょう?こちらで視聴してみて。そういえばこれ、吹奏楽に編曲されたものを高校生の時、吹奏楽部で演奏した記憶がある。
トリの「皇帝」は元々木管楽器とトランペットが2管編成だったものを1管編成で演奏できるようアレンジ(ホルンのみ2名)。原曲にはないトロンボーンが1名加わり、24人のオーケストラ。何だかスッキリした響きで好ましかった。ただ第2楽章から終楽章への移行部でホルンのピッチが合わずお粗末。元・大フィルの村上さん、プロなんだからもっとしっかりしてくださいよ。ピアノは豪快な肉食系。些か繊細さに欠けるがイケイケで、どすこいの横綱相撲だった。爆演ピアニストとして名を馳せたジョルジュ・シフラ(ハンガリー)の勇姿を想い出した。
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