明日海りお主演 宝塚花組「金色の砂漠」「雪華抄」
11月23日(祝)宝塚大劇場へ。
「雪華抄」の作・演出は原田諒。日本の春夏秋冬を描く、破綻のないショーだったが、かと言って特に記憶に残る場面もなかった。和服は動きに制限があるし、これが和物の限界かな。
「金色の砂漠」の作・演出は快進撃が続く上田久美子。
砂漠の真ん中にある王国で展開される幻想的なアラベスク。奴隷と王女の恋というプロットはヴェルディのオペラ「アイーダ」の逆バージョンであり、また砂漠でふたりが息絶えるというプロットはアベ・プレヴォーの「マノン・レスコー」を彷彿とさせる(プッチーニのオペラもある)。そう想って観ていたら、途中から意外な展開となり驚いた。シェイクスピアの「ハムレット」と「リチャード三世」の要素が入って来たのである。さすがウエクミ、作劇が上手い。ただ圧倒的完成度だった「翼ある人びと」「星逢一夜」に比べると落ちるかな。
宝塚市在住の僕は毎朝、大劇場の前を通って通勤しているのだが、今回の演目は非常に当日券の並びが少ない。0人の日もある。つまりリピーターがいないということだ。奴隷役の明日海りおが四つんばいになり、娘役・花乃まりあがみこしから降りてくる時に踏み台にされるというショッキングな場面にファンは激怒している。宝塚歌劇にはやって良いことと悪いことがある。ポリティカル・コレクトネスが浸透した現代日本において、ここは唯一、男尊女卑が奨励される(むしろファンは喜ぶ)世界である。フェミニズムなんか要らない。今回のウエクミは(評判が良いからと)天狗になって、越えてはならない一線を踏み越えてしまった。猛省を促したい。才能あるんだからさ。
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