映画「永い言い訳」
評価:B+
公式サイトはこちら。
西川美和監督の過去作品と比べるならば、「ディア・ドクター」よりは上、しかし最高傑作「ゆれる」には及ばない。「夢売るふたり」と同レベルかな。
「ゆれる」を自ら小説化した作品は三島由紀夫賞候補となり、「ディア・ドクター」の原案小説「きのうの神さま」は直木賞候補になった。そして小説「永い言い訳」は直木賞と山本周五郎賞の候補になった。
主人公の小説家は実に情けない、みっともない男である。その彼が妻の死、疑似家族体験などを通して、自分に欠けているものに気づいてゆく。そういう物語だ。では最後に主人公は成長したのか?と問われると、微妙かな。人間そう簡単に変われるものではない。そして人生は続く。
良い作品だが、何だか乗り切れないもどかしさもある。その尾を引くモヤモヤした感情は、直木賞&山本周五郎賞で選考の任に当たった著名作家たちのコメントにも現れている→こちら。
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