インバル/大フィルのマーラー5番
9月27日(火)フェスティバルホールへ。エリアフ・インバル/大阪フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会第1日目を聴く。
- モーツァルト:交響曲 第25番
- マーラー:交響曲 第5番
インバルの実演に接するのはフランクフルト放送交響楽団との来日でマーラー:交響曲第6番を振った演奏会@ザ・シンフォニーホール以来2回目。調べてみると1989年11月12日だった。な、何と27年ぶり!!!
ホルンの高橋将純・首席はモーツァルトの演奏には参加せず、マーラーからだったのでモーツァルトのホルンは音程が終始不安定だった。気持ち悪い。バルブ(ピストン)がないナチュラル・ホルン(古楽器)で吹いているのなら致し方ないが、モダン楽器なのだからお粗末としか言いようがない。
インバルは強弱をくっきりつけて、音楽のstructureが見通せるような演奏。テンポ設定も小気味好い。時折彼が一緒に歌っている声も聴こえてくる(グレン・グールドみたい)。
マーラーはいきなり冒頭のトランペット・ソロで秋月孝之がコケて、怒り心頭に発した。プロ失格、恥を知れ。一方・ホルンの高橋首席は朗々としたゴツイ音で、胸がスカッとした!僕は同曲を以前ゲルギエフ/マリインスキー歌劇場管弦楽団で聴いたが、マリインスキーの奏者より断然上手い。
インバルの解釈は弦を切々と歌わせ、アクセントを強調し、マーラーの歪な音楽を(オブラートに包まず)そのまま提示するような印象。ゴツゴツした肌触り。
第2楽章はうねり、感情をむき出しにして迫る。第3楽章は「夏が行進してくる!」という感じ。第4楽章アダージェットはバーンスタインみたいに感情に溺れることなく、醒めた、怜悧な夢。第5楽章は生気が漲る。文句なし、圧巻だった。
最後に今日の一言。大フィルは相変わらず弦高管低を払拭出来ず。早く東京に追いつけるよう、死に物狂いで努力せよ!
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