アカデミー視覚効果賞受賞「エクス・マキナ」
評価:A
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今年のアカデミー賞授賞式で視覚効果部門は「スター・ウォーズ フォースの覚醒」と「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の一騎打ちだろうと誰しもが思っていた。ところが蓋を開けてみると低予算のイギリス映画「エクス・マキナ」が攫ったので、皆腰を抜かした。青天の霹靂だった。
一言で評するなら、これは「21世紀のブレードランナー」である。プロットは完全に「ブレードランナー」を踏襲している。主人公がA.I.との対話を通して、果たして自分は本当に生身の人間なのか?もしかしたらエヴァと同種の人工知能なのではないか?と判らなくなっていく姿は「ブレードランナー」のデッカード(ハリソン・フォード)が次第に自分もレプリカントなのではないかと感じていく過程に似ている。しかし予想を大きく裏切る結末(ここでは「ブレードランナー」がミスリードの役割を果す)が観客を待ち構えており、これには唸った。天晴なり!アカデミー賞にノミネートされた脚本の巧さが際立っている。
特撮に関してはA.I.の体がスケルトンになっているということ以外、何の見せ場もなく、アカデミー賞受賞は過大評価である。「フォースの覚醒」のスタッフが可哀想。ストーリーテリングの面白さに引っ張られたのかねぇ。むしろ1982年に公開された「ブレードランナー」の視覚効果の方が眼を見張るものがある。
それにしてもアリシア・ヴィキャンデルはアカデミー助演女優賞を受賞した「リリーのすべて」といい、本作といい、脱ぎっぷりが潔いね。
アカデミー賞の受賞がなければ日本での公開が危ぶまれていた本作。関西では大阪のみの単館上映だった。兵庫県は無論のこと、京都府でも上映がないんだぜ、信じられる!?仕方なくわざわざテアトル梅田まで足を運びましたとさ。そういえば細田守の「時をかける少女」も単館上映で、ここで観たなぁ(遠い目)。もう10年前の話だね。
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