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2016年5月19日 (木)

市村正親・大竹しのぶ/ミュージカル「スウィーニー・トッド」

5月14日(土)シアターBRAVA !へ。スティーヴン・ソンドハイム作詞・作曲のミュージカル「スウィーニー・トッド」を観劇。これが4回目の鑑賞である。

2013年のポスター見て笑っちゃったけれど、この時既にFINALって書いてあったんだね。でも最後じゃなかった。

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出演は市村正親、大竹しのぶ、唯月ふうか、田代万里生、武田真治、芳本美代子ほか。

同じことの繰り返しになるから詳細は省くが、新たに加わった唯月ふうかについて。「ピーターパン」の主役「デス・ノート」のミサミサなど、可愛くて歌も上手く、大好きなミュージカル女優さんだが、ジョアンナ役はあんまり似合っていなかったみたい。歌唱が素直すぎて狂った感じが出ていないんだよね。全員頭がおかしいミュージカルだから。2011年公演のソニンのヴィブラートは病的で、ゾクゾクした。ただし唯月は歌詞の発声が明瞭で、今までで一番聞き取り易かった。

今回観劇しながら考えたのは「スウィーニー・トッドとは何者なのか?」ということ。何故僕達はこの残酷な物語に惹かれるのだろう?

そして「スウィーニー・トッドは我々の無意識の領域に棲む住人なのではないか」という結論に辿り着いた。他者に対する恨み/妬みとか、復讐心とかは誰もが持っている感情である。しかし我々は通常、理性でそれをコントロールして波風が立たない社会生活を営んでいる。その抑制・タガが外れて、ドロドロした感情が意識下から一気に噴出した姿が彼なのだろう。トッドの辿った悲劇を追体験することで、我々の心に潜む闇い欲求不満も解消され、昇華される。そういう効能もあるのではないだろうか。

このことはミュージカル「ジキル&ハイド」が、誰の心にもある善意と悪意、そして純潔と汚れの葛藤を描いていることに呼応しているのである。

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