荘村清志&福田進一/デュオ・コンサート
4月2日(土)ザ・フェニックスホールへ。
荘村清志と福田進一によるギター・デュオを聴く。
- 作者不詳:ルネサンス期の2つの小品
(ドゥリュリーの和音/ナイチンゲール) - アルビノーニ(R.ジャゾット/A.ラゴヤ編):アダージョ
- F.ソル:2人の友
- F.サイ:リキアの王女*
- モリコーネ(鈴木大介):ニュー・シネマ・パラダイス
- マイヤース(鈴木大介):カヴァティーナ
- タレガ(J.サグレラス):アルハンブラの思い出
- ファリャ(E.プホール):「はかなき人生」よりスペイン舞曲
- グラナドス(荘村清志):「スペイン舞曲集」よりオリエンタル
- プーランク(福田進一):エディット・ピアフを讃えて
- 久石譲:Shaking Anxiety and Dreamy Globe*
- ハーライン(江部賢一):星に願いを(アンコール)
- F.カルリ:対話風小二重奏曲第2番よりロンド(アンコール)
- グリェーミ(鈴木大介):バラ色の人生(アンコール)
*Hakujuギター・フェスタ委嘱作品
ふたりの演奏スタイルには明確な違いがある。荘村が背筋を伸ばし、客席に真っ直ぐ向いて弾くのに対し、福田は背を丸め、前のめりで俯き加減の姿勢。荘村の奏でるギターの音はストイックで清冽なのに対し、福田はwetで咽び泣くよう。
アルビノーニのアダージョをギターで聴くのは初めて。通常聴く弦楽合奏と違い、決然と進む。
「2人の友」はソルが名ギター奏者ディオニシオ・アグアドと演奏するために作曲した。二人は仲がよく、一緒に暮らしたこともあるという。各パートは1st./2nd.ではなく、ソル/アグアドと書かれているそう。主旋律と伴奏の役割が途中で何度も入れ替わる趣向になっている。序奏/主題と変奏/マズルカという構成で、最後は華やかな舞踏曲で締め括られた。
「リキアの王女」はトルコ出身の鬼才ピアニスト、ファジル・サイ(1970- )が作曲。メロディアスで親しみやすい。
久石譲の曲は2012年初演。各々の拍子が異なり、片方が二拍子のところでもう片方が三拍子といった具合。そして久石得意のミニマル・ミュージックの手法で書かれている。
名手ふたりによるデュオというのは贅沢な体験だった。映画「ディア・ハンター」で有名になったカヴァティーナや「ニュー・シネマ・パラダイス」も素敵なアレンジだった。
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