« 諏訪内晶子 ヴァイオリン・リサイタル | トップページ | 秋元康プロデュース・欅坂46「サイレントマジョリティー」を讃えて(あるいは、アメリカの闇) »

2016年4月20日 (水)

ボーダーライン

評価:B+

Sicario

映画公式サイトはこちら。アカデミー賞では撮影賞・作曲賞・音響編集賞の3部門にノミネートされた。

原題はSicario。中南米で使用される言葉で”(金で雇われた)ヒットマン・殺し屋”という意味。

冒頭の乾いた質感から、主人公がメキシコに入国してからの地獄行感(「地獄の黙示録」を彷彿とさせる)、そして終盤の暗い闇の底へ。撮影監督ロジャー・ディーキンズ(本作で12回目のアカデミー賞ノミネート、受賞なし!!)の卓越した画面設計を讃えたい。俯瞰ショットの息を呑む異様な緊張感も凄まじい。「ブレードランナー2」がとても愉しみだ。

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は映画「プリズナーズ」でも感じたのだが、ルック(見かけ)が非常に素晴らしいのにシナリオの詰めが甘く、傑作になるほんの一歩手前で停滞しているきらいがある。ベネチオ・デル・トロ単独行動の場面がダレる。だって観客には結末がどうなるか見えてしまっているんだもん。ここでは主人公不在というのも弱い。

エミリー・ブラント演じるヒロイン(FBI捜査官)像はどうしても「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティン(CIA分析官)に重なる。で、「ゼロ・ダーク・サーティ」の方が面白いのだから分が悪い。

Sicario2

| |

« 諏訪内晶子 ヴァイオリン・リサイタル | トップページ | 秋元康プロデュース・欅坂46「サイレントマジョリティー」を讃えて(あるいは、アメリカの闇) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ボーダーライン:

« 諏訪内晶子 ヴァイオリン・リサイタル | トップページ | 秋元康プロデュース・欅坂46「サイレントマジョリティー」を讃えて(あるいは、アメリカの闇) »