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2016年4月26日 (火)

レヴェナント:蘇えりし者 【IMAXで鑑賞】

評価:AA

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アカデミー賞で12部門にノミネート、レオナルド・ディカプリオが主演男優賞、アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥが2年連続で監督賞(前年のアルフォンソ・キュアロンと併せてメキシコ人が3年連続)、エマニュエル・ルベツキが3年連続で撮影賞を受賞した。公式サイトはこちら

兎に角、自然光に拘った映像が美しい。刻々と変化する大地の表情、時には人を優しく癒やし、また時には情け容赦なく猛威をふるう。この照明を用いない自然光への執心、逆光の多用はテレンス・マリック監督の映画を彷彿とさせる。因みにルベツキはマリックの「ツリー・オブ・ライフ」や「トゥ・ザ・ワンダー」の撮影監督を務めている。また鳥の鳴き声、雨の音、風で木がしなる音など音響効果も抜群である。

壮大な自然と人間関係を描いているという点で「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「ライアンの娘」のデイビッド・リーン監督×フレディ・ヤング撮影監督のコンビを想い出すが、あちらが俯瞰ショットを得意としたのに対して本作は仰角ショット(ローアングル)がメインに据えられている。それは常に【空】が画面に映し出されているということを意味し、観客はそこに否応なく【神の眼差し】、【神の沈黙】を感じることになる。映画の台詞にやたらと【神】への言及があるのは、決して偶然の一致ではない。

【神の沈黙】といえばスウェーデンのイングマル・ベルイマン監督だが、イニャリトゥはベルイマンに私淑しており、彼の家を訪ねたりしている。また映画に登場する廃墟と化した教会はアンドレイ・タルコフスキー(露)の「ノスタルジア」を想起させ、主人公の死んだ妻が空中浮遊状態で現れるのはタルコフスキーの「鏡」「サクリファイス」へのオマージュである。

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