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ヨエル・レヴィ/大フィル:マーラー「夜の歌」

2月5日(金)フェスティバルホールへ。

ヨエル・レヴィ/大阪フィルハーモニー交響楽団で、

  • マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

ちなみにマーラーは第2楽章と第4楽章に「夜曲」(Nachtmusik)と名付けているが、「夜の歌」はマーラー自身による副題ではない。

僕はブルックナーの交響曲を00番、0番を含め全曲実演で聴いている。マーラーの交響曲については第8番「千人の交響曲」をシノーポリ/フィルハーモニアで、さらに未完の10番もライヴで体験している、しかしこの第7番のみは今まで生で聴く機会がなかった。大阪では今回なんと22年ぶり(!)に演奏されるんだとか。第8番は規模が大きいので滅多に演奏されないのは仕方ないとして、声楽を伴わない7番の不人気は突出している。いや、僕は好きだけどな。

ヨエル・レヴィは現在65歳。ルーマニアに生まれ幼少期にイスラエルに移住、ブザンソン指揮者コンクールに優勝した。なんと彼の息子イアルは現在、アメリカのデスメタルバンド「ドス」で活躍しているらしい(ギター担当)。

マーラーの交響曲には幼少期に過ごしたボヘミア(現チェコ)・カリシュト村の思い出が詰まっている。例えば第3番に登場するポストホルン(郵便ラッパ)。第7番 第1楽章冒頭のテノールホルンのソロも、やはり幼いころ聴いた軍楽隊の奏でる懐かしい響きなのだろう。先日NHKで放送された大野和士/東京都交響楽団の演奏ではこのテノールホルンをユーフォニアムの世界的名手・外囿祥一郎が吹いていた。今回はソリストとして活躍する安東京平が担当。甘い音色で大変上手かった。後に続くホルン主席・高橋将純のソロもいつもながら素晴らしい。

レヴィは暗譜で指揮。辛口で明晰な解釈。バーンスタインのように主観的に音楽にのめり込むのではなく、一歩離れて怜悧に全体を見渡す視線がそこにはあった。実力はあるのに余り一般に人気がないという点でクリストフ・フォン・ドホナーニに近いタイプかなと感じた。

第3楽章スケルツォは百鬼夜行が跋扈する世界。暗い森には魔物が潜み、時折不気味な鳴き声を上げる。ここで昨年10月にヴィオラのトップ奏者として入団した井野邉大輔(いのべだいすけ/元NHK交響楽団)が深みのあるソロを弾き、聴衆の心を鷲掴みにする。井野邉が率いるようになって、何だかヴィオラ・セクションは《尖った》存在になった。首席が変わるとこれ程までに豹変するのかと目を瞠るものがある。

第4楽章はギタマン(ギター&マンドリン)が登場し、愛のセレナーデを奏でる。僕はヴェネツィアのゴンドラを連想した。ルキノ・ヴィスコンティ監督が映画「ベニスに死す」でマーラーの第5番から第4楽章アダージェットと第3番 第4楽章「夜が私に語ること」を使用したのは偶然ではないだろう。

そして突如唐突に歓喜が爆発する第5楽章が始まるのだが、これをどう捉えれば良いのかというのが長年議論の的になっている。僕は「夜明け」とか「昼」という意見には断固反対だ。いくらなんでも第4楽章《ヴェネツィアの宵》の後では唐突過ぎる。大野和士はテレビで「宇宙的なものに到達する道程」「ビッグバン!」と言っていた。実に面白い。僕の解釈は《ヴェネツィアのカーニバル(謝肉祭)の夜》に於けるどんちゃん騒ぎ。どんな雰囲気かというと→こちら(写真付き)。どうです?これなら4楽章から綺麗に繋がるでしょう。最後に鐘が鳴ることの説明もつく。

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