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尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48/道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48

「尾崎支配人が泣いた夜  DOCUMENTARY of HKT48」の評価はB+。映画公式サイトはこちら

「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」の評価はB。映画公式サイトはこちら

僕は今までにAKB48のドキュメンタリーを4種類、他にSKE48と乃木坂46のドキュメンタリーを観ている。よって今回で8作品に達したということになる。

なかんずく突出して傑作だと想うのは高橋栄樹監督「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る」である(2016年2月12日(金)25:50~ NHK BSプレミアムで放送予定)。アイドル映画を観に行ったら戦争映画だった!という驚天動地、コペルニクス的転回の作品であり、僕はこの年の映画ベスト1に選出した。東日本大震災の年という特殊性が効いた。逆に最低・最悪だったのが「悲しみの忘れ方DOCUMENTARY of乃木坂46」。監督の丸山健志は万死に値する。絶対に許せない。詳しくはレビューを読んでください。

さて8作品出揃ったところで、質が高い上位4作品を挙げてみよう。

  1. DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら夢を見る
  2. アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE46
  3. 尾崎支配人が泣いた夜  DOCUMENTARY of HKT48
  4. 道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48

アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE46」は石原 真監督のSKE愛が炸裂している。特に唖然としたのは後にDVD/Blu-rayで発売されたディレクターズ・カット版。4時間あって、しかも映像が本篇と全く重複していない!両者合わせると現役メンバー全員のインタビューを詰め込んでいる。しかも編集が巧みなので観ている者を飽きさせない。ただ卒業メンバーのうち、向田茉夏からインタビューを取れなかったのは痛恨の極みなのだが……。閑話休題。

さて、HKTのドキュメンタリーは指原莉乃が監督をしている。現役の、しかも総選挙で2年連続1位になったトップ・アイドルが監督をすると一体どうなるのだろう?と全く想像がつかなかったのだが、これが意外にも良かった。今までの中で最も「生々しい」ドキュメンタリーとなった。彼女は選抜メンバーに選ばれない女の子の気持ちも、逆に「撰ばれてあることの恍惚と不安」もどちらもよく判っているので、そういった光と影の交差を巧みに捉えている。またHKT48劇場支配人として各メンバーへの目配りも怠りなく、結局テロップで全員の名前が出てきたんじゃないかな?映画の冒頭がさしこ(指原)と坂口理子が餃子を食べている場面から始まるのも意表を突いていて面白かった。あと本作の白眉はシングルの選抜メンバーを選ぶ会議にカメラを潜入させたことである。”なこみく”の矢吹奈子が最近、精神的に疲れているので一度選抜から外して休ませたほうがいいのではないか?というさしこからの提言が、秋元康の「でもユニバーサル(・ミュージック・ジャパン)さんとしては”なこみく”が欠かせないよね?」という一言で却下となり、逆に秋元の「そろそろ田中菜津美を入れても面白いんじゃない?」という発言も誰からも取り合われず、あっさりスルーされた。トップダウンで決定されるのではなく、割とみんなの意見を聞き、合議制で決めるんだなと興味深かった。あとメンバーの親を登場させたのが村重杏奈ただ一人というのが慧眼である。何故なら村重の母親はロシア人であり、さしこは《ファンが一番見たいものは何か》を熟知しているなと感心した。

今回のHTKとNMBのドキュメンタリーで新機軸だなと感じたのはファン=ヲタに焦点を当てたことである。HKT坂口理子が初めて選抜メンバーに選ばれた瞬間のおっさんの号泣、NMBでライヴァルとして切磋琢磨している白間美瑠の握手会のレーンの方が列が長いと、危機感を抱いてその場で緊急会議を始める矢倉楓子のファンの人たち(ふたりは10thシングル「らしくない」でダブルセンターを務めた)。何か微笑ましいというか、愛おしかった。またある日の握手会で山本彩が3千人以上と握手し、総計9時間に及んだというナレーションには度肝を抜かれた。それでも「楽しかった」と屈託のない笑顔で会場を後にするさや姉。さすがプロだね。

NMBの方は大阪府出身で東京大学教養学部卒業後ニューヨークで映画を学んだ舩橋淳が監督を務めた。大阪らしい、「コテコテ」で「泥臭い」ドキュメンタリー映画に仕上がっている。これだけ地方色を鮮明に打ち出した作品はこれまで無かった。特に淀川から道頓堀川に至る河川を下る船の上で、第1回ドラフト会議で指名されNMBに入った須藤凛々花(12thシングル「ドリアン少年」センター)が、ニーチェやジョン・スチュアート・ミルらの言葉を朗読する場面は正に異空間で、個性的なその絵(映像)に惹きつけられた。リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」とか、高倉健・松田優作が出演した「ブラック・レイン」(大阪が舞台)のことを想い出した。

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