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2016年1月 8日 (金)

映画「完全なるチェックメイト」

評価:B+

Pawnsacrifice

映画公式サイトはこちら

20世紀で最も有名なチェスプレイヤー、ボビー・フィッシャー(アメリカ)とソ連(当時)の世界チャンピオン、ボリス・スパスキーの対戦(ある意味、米ソの代理戦争)を軸とした物語。1984年にコンセプト・アルバムがリリースされ、1986年イギリスのウエストエンドで初演されたCHESS THE MUSICALは間違いなくこのふたりをモデルにしている。

ボビー・フィッシャーを演じたトビー・マグワイアが製作も兼ね、熱演を繰り広げてる。

本作を観ながら、「天才に生まれても不幸にしかならないな」と痛感した。モーツァルトや、映画イミテーション・ゲーム」で描かれた数学者アラン・チューリング、映画「ビューティフル・マインド」の数学者ジョン・ナッシュもそう。何か突出した才能を持って生まれると、必ず別の何かが欠落する。自然界はそうやってバランスをとっているのだ。ボビー・フィッシャーやアラン・チューリングも人間性に問題がある。人格破綻者と言ってもいい。そして周囲から理解されず孤立する。それは仕方ないことだ。

映画の中で言及されるのだが、19世紀アメリカの有名なチェスプレイヤー、ポール・モーフィー(1837-1884)は精神を病み、自宅の浴槽で死体となって発見された。その時、彼は女性の靴に囲まれていたという。享年47歳だった。

「撰ばれてあることの / 恍惚と不安と / 二つわれにあり」(ヴェルレエヌ/堀口大学 訳)

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