J.S.バッハ・オルガン作品全曲演奏会vol.8
いずみホールへ。
ヴォルフガング・リュプザムのオルガン独奏で、オールJ.S.バッハ・プログラム。
- 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV546
- シュプラー・コラール集
目覚めよ、とわれらに呼ばわる物見らの声 BWV645
われはいずこに逃れゆくべき BWV646
ただ神の御旨に従う者は BWV647
わが魂は主をあがめ BWV648
ああ、われらとともに留まりたまえ、主イエス・キリストよ BWV649
イエスよ、汝いまぞ御空から下りたまい BWV650 - 18のコラールから
主イエス・キリストよ、われらを顧みて BWV655
おお、神の小羊、罪なくして BWV656 - 2つの単独コラール
主キリスト、神のひとり子 BWV698
神の子は来たりたまえり BWV724 - 18のコラールから3つのグローリア・コラール
いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV662
いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV663
いと高きところには神にのみ栄光あれ BWV664 - 3つの単独コラール
われは汝に依り頼む、主よ BWV712
讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ BWV697
讃美を受けたまえ、汝イエス・キリストよ BWV722 - 前奏曲とフーガ ハ短調 BWV545
- パストラーレ ヘ長調 BWV590 より 第2楽章(アンコール)
- 永遠の父なる神よ(キリエ) BWV672 (アンコール)
リュプザムは初来日だという。大層達者なオルガン奏者でちょっとびっくりだが、やはり日本にはオルガン・リサイタルをホールで聴くという習慣がないので、招聘元(民間のプロモーター)も二の足を踏むのだろう。教会だと収容人数が少なく採算が取れないし。リュプザムは盲目のオルガニスト、ヘルムート・ヴァルヒャとマリー=クレール・アランに師事した。マリー=クレールはタバコを吸いながらオルガンを弾くような自由奔放な女性だったという。
何と彼は暗譜でオルガンを弾いた。今までこのシリーズでは一度もなかったことである。これはヴァルヒャからの影響だという。ただ偽作の可能性があるという2曲のみ譜面を見ながら弾いていたので可笑しかった。
リュプザムによるとオルガンは非常に機械的な楽器なので、如何に歌わせるかが重要だという。バッハのコラールには素朴な信仰心があり、時に壮麗で、魂が浄化されるようだった。あとアンコールで演奏された「永遠の父なる神よ(キリエ)」が格調高くすごく良くて、深い感銘を受けた。
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