駆込み女と駆出し男
評価:A
ブルーレイで鑑賞。映画公式サイトはこちら。
井上ひさしの小説『東慶寺花だより』を原案とした作品。原田眞人はボグダノヴィッチの「ラストショー」を真似た感傷的(自慰的)デビュー作「さらば映画の友よ インディアンサマー」(1979)とか、悪名高き巨大ロボットSF「ガンヘッド」(1989)とか(映画館で観て絶望的気持ちになり、頭を抱えた)、どうしようもない駄目監督だと想っていた。ところが!「突入せよ!あさま山荘事件」「クライマーズ・ハイ」辺りから良質の作品を撮るようになり、「わが母の記」(2012)や本作を観ると、堂々たる巨匠の風格さえ漂うようになった。恐れいりました。見直しました。文句ありません。最早、日本を代表する映像作家の一人と言えるだろう。
男尊女卑が公然とまかり通っていた江戸時代を舞台に、女たちの哀れに優しい眼差しを向け、彼女たちを慈しむような、繊細で時に大胆な演出に心を打たれる。四季折々の自然描写も美しい。
女優になるために生まれてきたような満島ひかりが素晴らしいのは当たり前として、東慶寺(駆け込み寺)の院代・法秀尼(ほうしゅうに)役の陽月華が凛とした佇まいで目を惹く。彼女は元・宝塚宙組トップ娘役。映画は本作が初出演らしい。戸田恵梨香は「熱演」。ベテランの樹木希林は年輪から滲みだす深い味わいがあり、女優陣がすこぶる充実している。見応えがある「女性映画」だ。
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