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2015年12月19日 (土)

観たぜ!!「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」日本最速上映レポート

評価:AAA(これ以上はありません)

Starwarsforceawakens

12月18日18時30分、日本最速上映を鑑賞。

第1作「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」は米国で1977年5月に公開されたが、日本公開は78年7月1日だった。僕は当時小学生で、子供だけで観ることは叶わないので父親に引率を頼み、同級生の男の子4,5人を引き連れて映画館に観に行った。北米公開から1年以上間が空いたので先にどんどん情報が日本に入ってきており、映画を観る前に僕は既に原作小説を読んでいた(公式には著者がジョージ・ルーカスとなっているが、実際はゴーストライターのアラン・ディーン・フォスターが書いたもの)。ジョン・ウィリアムズの音楽もFMでエア・チェックしたズービン・メータ/ロサンゼルス・フィルが演奏する組曲をカセットテープで繰り返し聴いていた。「エピソード5/帝国の逆襲」の場合は中学生だったがキネマ旬報誌の特集記事を貪るように読んでいたので、映画を観る前からルークの父親がダース・ベーダーだということを知っていた。今回は世界同時公開ということで、予備知識が全く無いまっさらな気持ちで観ることが出来た。事前にジョン・ウィリアムズのサントラを聴いていないというのも初めてのことである。

予告編一切なしで定刻になるといきなり本編が始まった。冒頭、Lucasfilm Ltd.のロゴが登場すると、自然に場内から拍手が沸き起こる。そして「ジャーン!」とジョン・ウィリアムズの音楽が鳴り響き、STAR WARSのタイトルが現れると、もう一度拍手。

本編の後、長いエンドクレジットの途中で退席する人は数人で9割以上の人々は最後まで私語もなく静かに残っていた。スマホの画面を光らせる人も皆無。上映が終わり場内が明るくなる瞬間に三度目の拍手。何だか神聖な儀式に参加しているような錯覚に囚われた。熱心でありながら礼節をわきまえた日本のファンに深い感銘を受けた。同志たちよ!僕は君たちのことを誇りに思う。

観終わってまず言いたいのは「宇宙戦艦ヤマト」の沖田十三艦長が、地球に帰還した時の最後の言葉と同じである。「何もかも、みな懐かしい。」映画全編がエピソード4から6までのオマージュに満ちている(以下、多少のネタバレはお許し頂きたい)。

そもそもある使命を帯びたドロイドを帝国軍(ザ・ファースト・オーダー)が追うというプロットはエピソード4そのまんまだし、BB-8の地図映写、砦に囚われたお姫様救出作戦、XウィングとTIEファイターのドックファイト(空中戦)、強力なビームを使って惑星粉砕、ミレニアム・ファルコン号のホログラム・チェスボードなど既視感(デジャヴ)満載。オビ・ワンとダース・ベイダーの決闘(エピソード4)、あるいはルークとダース・ベイダーの対峙(エピソード5)を髣髴とさせる場面もあり。レイヤとハン・ソロの別れ(エピソード5)もバリエーションとして再現されている。さらにアクバー提督(エピソード6)が出てくるし、ハン・ソロの名台詞"I have a bad feeling about this."も飛び出した。また今回の舞台となる砂の惑星ジャクーには氷の惑星ホス(エピソード5)に登場する帝国軍の装甲歩行兵器がジャンクとして放置(野ざらしに)されている(もしかしてジャクーは温暖化したホスの成れの果ての姿!?)。

「スター・ウォーズ」は皆さんご存知の通り神話なのだけれど、J.J.エイブラムスが「フォースの覚醒」で打ち出した新機軸はそれにギリシャ悲劇の要素を加えること。これ以上書くと核心を突くネタバレになるので差し控えるが、ヒントを書いておくと……パゾリーニ、ストラヴィンスキー。分かる人には分かるだろう。またCGを一切感じさせず、徹底的にアナログ(実物大のセットやミニチュア)に拘ったVFXも素晴らしい。J.J.は最高の仕事をした。本当にありがとう!

最後にジョン・ウィリアムズの音楽について触れたい。レイアが登場する場面でまず流れるのが「王女レイアのテーマ」(エピソード4)。そして、ハン・ソロとの会話が始まると、それが「ハンとレイア」(エピオード5)に移行する。いやもう、本当に至福の時だった。生きててよかった。ジョン、エピソード9で完結するまで(あと4年)息災でいてください。貴方じゃないと駄目なんだ。心からお願いします。

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