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プリンス・オブ・ブロードウェイ

12月8日(火)梅田芸術劇場へ。「プリンス・オブ・ブロードウェイ」を観劇。

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ブロードウェイの伝説的な演出家ハロルド・プリンスの偉業を振り返る作品である。いわば「ジェローム・ロビンス・ブロードウェイ」や「フォッシー」(どちらもトニー賞で作品賞を受賞)みたいなアンソロジー。プリンスとの共同演出、及び振付を担当するのはスーザン・ストローマン。これがワールドプレミアであり、いずれ幾つかのトライアウト(試演)を経てブロードウェイに上陸するだろう。

因みに僕が今まで観たことがあるプリンス演出のミュージカル作品は「オペラ座の怪人」(日本/ウエストエンド/ブロードウェイ/ラスベガス)と「蜘蛛女のキス」(日本)。またプリンスがオリジナル演出を担当し、別の演出家で観たのが「シー・ラヴズ・ミー」(出演:市村正親、涼風真世)、リトル・ナイト・ミュージック」(麻実れい、細川俊之)、「エビータ」(浅利慶太演出)、「キャバレー」(サム・メンデス&ロブ・マーシャル共同演出版/小池修一郎演出版/松尾スズキ演出版)、「カンパニー」(小池修一郎演出)、「太平洋序曲」(宮本亜門演出)、「スウィーニー・トッド」(宮本亜門演出)、「メリリー・ウィー・ロール・アロング」(宮本亜門演出)。またスーザン・ストローマンが振付や演出を担当した作品は「クレイジー・フォー・ユー」「コンタクト」(以上、劇団四季)「オクラホマ!」(ヒュー・ジャックマン主演!BSにて)「プロデューサーズ」「ザ・ミュージックマン」(以上、ブロードウェイ)を観ている。

さて、今回の出演者を列挙しよう。

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まず「オペラ座の怪人 25周年記念ロンドン公演」でファントムを演じ、続編「ラブ・ネバー・ダイ」でも主演を務めたラミン・カリムルー。彼はブロードウェイ(BW)の「レ・ミゼラブル」でジャン・バルジャンを演じ、トニー賞候補になった。

「オクラホマ!」でトニー賞を受賞したシュラー・ヘンズリーは僕が観た日は残念ながら休演で、アンダースタディが務めた。

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トニー・ヤズベックは「オン・ザ・タウン」で2015年トニー賞主演男優賞ノミネート。

ケイリー・アン・ヴォーヒーズは現在、BW「オペラ座の怪人」でクリスティーヌを演じている。

エミリー・スキナーシャム結合)双生児のヒルトン姉妹を描いた「サイド・ショウ」でトニー賞主演女優賞候補となった。

他にジョシュ・グリセッティナンシー・オペルブリヨーナ・マリー・パーハムマリアンド・トーレス、そして宝塚歌劇の元トップ・スター、柚希礼音が出演した。また声のみで市村正親がハロルド・プリンスを演じた。正にオール・スター夢の共演である。

歌われた作品は、《第1幕》「フローラ、赤の脅威」「くたばれ!ヤンキース」「ウエスト・サイド物語」「シー・ラヴズ・ミー」「イッツ・ア・バード…イッツ・ア・プレイン…イッツ・スーパーマン」「フォーリーズ」「リトル・ナイト・ミュージック」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「キャバレー」「オペラ座の怪人」《第2幕》「カンパニー」「ローマで起こった奇妙な出来事」「エビータ」「フォーリーズ」「フィオレロ!」「メリリー・ウィー・ロール・アロング」「パレード」「蜘蛛女のキス」「スウィーニー・トッド」「ショウ・ボート」そして最後はジェイソン・ロバート・ブラウン(「パレード」「ラスト・ファイヴ・イヤーズ」「マディソン郡の橋」)が書き下ろした新曲"WAIT 'TIL YOU SEE WHAT'S NEXT"で締め括られる。

眩いばかりの作品群である。ちょっと反則だなと想ったのは「ウエスト・サイド物語」や「屋根の上のヴァイオリン弾き」の演出・振付はジェローム・ロビンスでプリンスの役割はプロデューサーのみなんだよね。いいとこ取りでずるいなぁ。

ラミンの「オペラ座の怪人」は勿論、「ウエストサイド物語」のトニー(どちらもお相手はケイリー)や「カンパニー」のロバート("BEING ALIVE" !!)、さらにクラーク・ケント(スーパーマン)まで観ることが出来て、こんな贅沢な話はない。彼は僕が知る限り歴代最高のファントムだし、その朗々たる歌唱に痺れた。

トニー・ヤズベックが「フォーリーズ」で見せたソング・アンド・ダンス、「パレード」のナンバー"THIS IS NOT OVER YET"の歌も素晴らしかった。ジョシュのMC(キャバレー)も◯。

シュラーの代役エリック・ヴァン・ティーレンは「屋根の上のヴァイオリン弾き」も「スウィーニー・トッド」も物足りない。声が出ていない。

柚希礼音は流石にブロードウェイの役者と比べると歌がいただけなかったけれど、ダンスは健闘。見劣りしなかった。特に「くたばれ!ヤンキース」の魔女ローラ役がセクシーで魅力的だった。

ナレーションで「興行的に失敗しても素晴らしい作品はある」と語られたのはソンドハイムの「メリリー・ウィー・ロール・アロング」のことを指しているのだろう。なんとプレビュー公演52回、本公演はたった16回でクローズとなった。凄く良い作品なんだけどね。僕はソンドハイムの中でも1,2を争うぐらい好き。日本公演の感想はこちら

「パレード」は1913年に実際にアメリカ南部で起きた冤罪事件を描くミュージカル。13歳の少女の強姦殺人事件の犯人に仕立てられたユダヤ人の青年。しかし裁判で次第に彼の無実が明らかとなり、釈放も間近というときに根強い人種偏見を持つ男たちの手で留置場から連れ出され、首を括られる。映画「死刑台のメロディ」(サッコ&バンゼッティ事件)のテーマに近い。題材が題材なだけに日本での上演は難しそうだが、是非観てみたい!ジェイソン・ロバート・ブラウンの音楽も心に残った。

あと「シー・ラヴズ・ミー」が懐かしかった。チェコの劇作家ニコラウス・ラズロの戯曲が原作でエルンスト・ルビッチ監督「街角 桃色の店」(THE SHOP AROUND THE CORNER)という映画にもなっている。「恋人たちの予感」「めぐり逢えたら」の脚本を書いたノーラ・エフロンは少女時代、毎年クリスマスになると両親(どちらもシナリオ・ライターで映画「回転木馬」「あしながおじさん」を脚色した)に連れられて劇場に「シー・ラヴズ・ミー」を観に行っていたという。その想い出がメグ・ライアン、トム・ハンク主演「ユー・ガット・メール」に結実した。文通が電子メールという手段に置き換わって。そんなことどもを想い出した。心暖まる素敵な小品。また再会したいな。

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