I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE
評価:A
「リトルプリンス 星の王子さまと私」に続き、4歳の息子と鑑賞。公式サイトはこちら。
漫画「ピーナッツ」は1950年から2000年まで連載された。アニメのテレビ放送が開始されたのは1965年である。
今回はCGアニメーションということで、原作の持ち味が保たれるのか非常に懐疑的だったのだが、顔や体の輪郭はポリゴンだけれど眉や口、目尻のシワなどは手書きの感触をそのまま残していて全く違和感がなかった。
冒頭に20世紀フォックスのロゴが現れ、アルフレッド・ニューマンが作曲した20世紀フォックス・ファンファーレ(「スター・ウォーズ」でもお馴染み)が演奏されるのだが、スネアドラムに続いて本来はトランペットが高らかと鳴り響くはずのところ、同じ旋律がピアノで奏でられる。すると引きの画面となり、シュローダーがおもちゃのピアノを弾いている。洒落た導入部である。
スヌーピーはタイプライターを叩くのだが、今の子供達はタイプライターなんか当然知らない。そこで最初にスヌーピーとウッドストックのドタバタ劇を交えながら機械の仕組みをサラッと説明してしまう手法は鮮やかだった。懐かしき黒電話も登場。
またチャーリ・ブラウンの妹サリーが学芸会の劇で馬乗りを披露する場面でロッシーニ作曲「ウィリアム・テル」序曲が流れる。実はこれ、「ローン・レンジャー」(テレビ放送1949−58)のテーマ曲なんだよね。そした「ピーナッツ」が書かれた時代への目配せが実に心地よい作品だった。
あとスヌーピーとレッド・バロンの空中戦が愉しかったなぁ。第一次世界大戦で活躍した、実在するドイツ軍の撃墜王マンフレート・フォン・リヒトホーフェン男爵の異名である。ツェッペリン飛行船も登場し、燃えたね(←僕が。ヒンデンブルク号みたいに爆発炎上するわけじゃないよ)。観終わった息子は「面白かった」と言ってくれたけど、レッド・バロンは少し怖かったそう。
最後にトリビアを一つ。スヌーピーの恋人フィフィという、ピンクのプードルの役でクリスティン・チェノウスが声を担当しているのだが、彼女はブロードウェイ・ミュージカル「君はいい人チャーリー・ブラウン」のサリー役で、トニー賞を受賞している。また2015年のトニー賞授賞式では司会を務めた。ちなみに「君はいい人チャーリー・ブラウン」は2000年に日本でも上演されていて、チャーリー・ブラウンを小堺一機、スヌーピーを市村正親!!、ルーシーを土居裕子、サリーを池田有希子が演じた(僕はこの舞台を観ている)。
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