映画「コードネーム U.N.C.L.E.」
評価:B+
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1960年代に放映されたテレビドラマ「0011ナポレオン・ソロ」のリメイク。ソロ役のヘンリー・カビルがいい味出している。ヒロインを務めたアリシア・ヴィキャンデル(ビカンダー)がキュートかつセクシーでGood。
彼女はスウェーデン・イエーテボリ出身で幼い頃からバレエを習い、ミュージカルも演っていたとか。へぇ、歌えるんだ!英語のウィキを調べると「サウンド・オブ・ミュージック」や「レ・ミゼラブル」(舞台)に出演したと書いてある。是非ミュージカル映画にも出て欲しいな。
「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」のレベッカ・ファーガソンもスウェーデン出身。グレタ・ガルボ、イングリッド・バーグマンの時代から彼の国は相変わらず美人の産地だね。
スパイものというジャンルは米ソ冷戦を背景に1960年代に発展していった。「007」シリーズやナポレオン・ソロ、そして「スパイ大作戦」がその代表格だろう。さらにマイケル・ケイン主演の映画「国際諜報局」(1965)の原作「イプクレス・ファイル」が発表されたのが1961年で、ジョン・ル・カレの小説「寒い国から帰ってきたスパイ」が1963年、映画「さらばベルリンの灯」の公開が66年といった具合。
しかしペレストロイカを経てソ連の崩壊後、この分野は急速に衰退する。敵となる悪の組織を創作するのが難しくなったのだ。
「007」はダニエル・クレイグが起用されてからリアリティ重視になり、ボンドがマッチョで汗臭く、傷だらけのヒーローになってしまった。しかし1960年代のスパイ映画(ドラマ)はもっとユーモアと遊び心があった。男たちはお洒落で、極上の美女とランデヴーを過ごす余裕があった。
その揺り返しが来たのが「キングスマン」で、次に登場したのが本作というわけ。「007」や「ミッション:インポッシブル」シリーズはあくまで現在を舞台としているのに対し、「コードネーム U.N.C.L.E.」は冷戦時代に戻した。これが大正解。何とも粋でウィットに富んだ作品となっている。また如何にも1960年代イーストマン・カラーを髣髴とさせる色彩に仕上がっており、スプリット(分割)スクリーンという手法もまるで「グラン・プリ」(1966)や「華麗なる賭け」(1968)みたいだ。何だか懐かしい。
考えてみればガイ・リッチー監督はマドンナと結婚した辺りからおかしくなっていったが、デビュー作「ロック、ストック&スモーキング・バレルズ」は洒落た映画だった(Cool !)。復調したということだろう。
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