ピリス&メネセス/ベートーヴェンを弾く
11月3日(火)兵庫県立芸術文化センターへ。
ポルトガル、リスボン生まれのピアニスト、マリア・ジョアン・ピリス(ピレシュ)とブラジル生まれのチェリスト、アントニオ・メネセスのデュオを聴く。
- ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第2番
- ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第32番
- J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第2番
- ベートーヴェン:チェロ・ソナタ 第3番
- J.S.バッハ:パストラーレ BWV590 第3曲(アンコール)
- ショパン:チェロ・ソナタ 第3楽章(アンコール)
客席数2001席の大ホールが満席。クレーメル&クレメラータ・バルティカの時とは大違い。
プログラム・ノートにバッハの無伴奏チェロ組曲はチェリストにとって「旧約聖書」と呼ばれていると書かれていて、へ~、じゃあ「新約聖書」は?と調べてみた。どうやらベートーベンのチェロ・ソナタが該当するらしい。
そのチェロ・ソナタ2曲は枯れて、禁欲的。自己を前に押し出すのではなく、お互いに慈しみ合うよう。肩の力が抜けた、滋味に富む演奏だった。
ピリスの独奏については日本の女性ピアニスト(河村尚子と松田華音を除く)に対して感じる弱点と同様の印象を受けた。腕力の問題で力強い打鍵が難しい。彼女が奏でる最後のソナタは厳しさよりも諦念(と受容)が支配的で、祈りの音楽。第1楽章には均整のとれた完全な美があり、第2楽章は人生最後の時を迎えた作曲家が静かに息を引き取るイメージが脳裏に浮かんだ。
メネセスのバッハは朴訥で、慎ましい日々の生活を送る修道士を連想させた。
デュオあり、それぞれのソロありと美味しい演奏会だった。
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