0と1の間〜映画「きっと、星のせいじゃない。」
評価:A
原作小説の邦題は「さよならを待つふたりのために」。映画公式サイトはこちら。
難病(不治の病)ものというジャンルがある。「愛と死をみつめて」「世界の中心で、愛をさけぶ」「余命1ヶ月の花嫁」「ある愛の詩」「フィラデルフィア」などが挙げられる。で概ねそれらのパターンは決まっており、お涙頂戴になりがちだ。
「きっと、星のせいじゃない」は劇場公開を観逃していて、やたらとSNSでの評判が高いのでブルーレイで鑑賞。驚いた!これは紛れもなく「難病もの」の最高傑作である。
主人公の男の子と女の子の生き様が、前向きなのがいい。本作を観て、結局彼らと、健康で長生きしている我々との違いは時間の大小の差でしかないことに気付かされた。所詮人間はいつか死ぬ。最後の日が訪れるのが早いか、遅いか。それだけである。ではその限られた人生をどう生きるか?生きることの目的は何か?そういった普遍的な問いを本作は真摯に投げかけてくる。後で後悔しないように、若い人たちこそ絶対観るべきだ。
母親役のローラ・ダーンや小説家役のウィレム・デフォーがいい味出している。特に小説家がふたりに語る「アキレスと亀(ゼノンのパラドックス)」が含蓄があって考えさせられた。限られた時間の中(0と1の間)に永遠があるんだね!それが生きることの意味なんだ。
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