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2015年10月28日 (水)

映画館の中心で、心が叫びたがってるんだ。

「ここさけ」を観た。「心が叫びたがってるんだ。」のことである。映画化もされた大ベストセラー小説「世界の中心で、愛をさけぶ」が「セカチュー」と略されたことを想い出す。今の長澤まさみはエロいけど、あの頃のまさみは最高に可愛かった。閑話休題。

Kokosake

映画公式サイトはこちら。←映画館で予告編を観た時、正直あざといと想った。小学生の時に言葉を封印された少女。しかし喋れないのに高校のイベントで実行委員に指名される。あり得ないでしょ。無理矢理過ぎる。全く食指が動かなかった。

しかしその僕の心を動かしたのは、死ぬ程好きなアニメーション映画「秒速5センチメートル」を監督した新海誠のツィートだった。

絶賛である。Yahoo!映画のユーザーレビューでも10月27日現在4.23点(5点満点)と高評価だ。因みに「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド」は2.39点、三谷幸喜の「ギャラクシー街道」に至っては1.84点という惨状となっている。

僕は三谷幸喜の舞台が大好きなのだが、「ギャラクシー街道」の評判が壊滅的なので行くのを取りやめ、その代わりに点数が倍以上の「ここさけ」なら大丈夫だろうと漸く決心がついた次第である。また秋元康が作詞し乃木坂46が歌う主題歌「今、話したい誰かがいる」が爽やかでとても素敵な曲だったので、そのことも僕を後押しした。

映画冒頭、小学生のヒロインは山の上のお城に憧れている。しかし実はラブホテルであった。そこから王子様ならぬ彼女の父親が愛人と車に乗って出てくるのを目撃する。その意味するところが判らない彼女は母親にペラペラお喋りしてしまう。

びっくりした。意表を突く設定。これは大人向きだな(少なくとも高校生以上)。小中学生には観せられない。日本のアニメーションの懐の深さに改めて感心した。

本作の主題は言葉である。言葉は時に人を傷つけもし、励ますこともある。両刃の剣である。だから慎重に扱わなければいけない。目の付け所がいい。

催し物ので彼らがやるのがミュージカルというのも嬉しい。ヴィクター・ヤングの「八十日間世界一周」やイギリス民謡「グリーンスリーブス」、ガーシュウィンの「サマータイム」等に新な歌詞が付けられ歌われる。特にクライマックスでベートーヴェンのピアノ・ソナタ「悲愴」のメロディと映画「オズの魔法使い」の主題歌「虹の彼方に」が重ねられ、対位法として扱われるアイディアは秀逸だと膝を打った。

高校の学芸会でミュージカルをするというのは大林宣彦監督の「ふたり」(石田ひかり主演)であったし、「ここさけ」のヒロインが恋する少年が古い家で祖父母と暮らしているという設定はまるで「時をかける少女」(原田知世主演)の深町くんみたいだ。何だか愛おしく、懐かしかった。スタッフの中に熱烈な大林映画ファンがいるのかも知れない。

評価はA-。意外な拾い物だった。百聞は一見にしかずだね。

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