シベリウス生誕150年〜篠崎靖男/大阪交響楽団 定期
10月21日(水)ザ・シンフォニーホールへ。
篠崎靖男/大阪交響楽団で、
- 細川俊夫:弦楽オーケストラのためのセレモニアルダンス
- プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第3番
- シベリウス:交響曲 第1番
細川の曲はタイトルに「ダンス」が入っているが、西洋のバレエとかダンスホールの音楽とは性質が全く異なり、巫女の舞とか静御前の白拍子、あるいは「古事記」に登場する天の岩屋戸での踊りのイメージに近い。あと武満徹との連続性を感じた。
プロコフィエフのピアノ独奏は日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれた金子三勇士。アクセントを強調し、力強い演奏。聴き応えあり。アンコールはバルトーク:「ハンガリーの5つのスケッチ」より第1曲"トランシルヴァニアの夕べ"。郷愁と共感。そこにはハンガリーの血が脈打っていた。
休憩を挟みシベリウスのシンフォニー。
篠崎靖男は2000年に第2回シベリウス国際指揮者コンクールで第2位となった。ちなみにその時の1位はOlari Eltos(エストニア)。審査員は委員長がエサ=ペッカ・サロネンでほかにオッコ・カム、サカリ・オラモら錚々たる名前が並ぶ。その後篠崎はヘルシンキ・フィルに何度か客演し、フィンランド・キュミ・シンフォニエッタの芸術監督を8年間務めた。現地叩き上げの指揮者である。
第1楽章クラリネットによる仄暗い序奏。主部に入り弦楽器が鮮烈な第1主題を奏でると情熱が迸り、マグマが噴出するよう。愛妻アイノを描いたと言われる第2楽章は慰めと祈り。指揮者・藤岡幸夫が「海賊!」と評した第3楽章には荒々しい波のうねりが感じられた。正にパイレーツ・オブ・カビリアン(地域的にはヴァイキングが相応しいか)。終楽章のカンタービレは弦が唸る。ものすごい熱量だった。
日本人の父とフィンランド人の母のもとに生まれ、世界で初めてシベリウス全交響曲のステレオ録音とデジタル初録音をそれぞれ行った渡邉暁雄の薫陶を受けた藤岡幸夫、そして今回の篠崎靖男。日本には優れたシベリウス指揮者が2人もいて、頼もしい限りである。
さて、音楽監督・児玉宏の勇退により来シーズンから外山雄三が大阪交響楽団のミュージック・アドバイザーに就任する。そのプログラムが発表されたが、予想通りオーソドックスな曲目が並ぶ。詰まらないので来期から僕は定期会員を辞める。ただ唯一嬉しかったのは寺岡清高が指揮台に立つ2016.12.8の定期。コルンゴルト:「雪だるま」&ヴァイオリン協奏曲、ツェムリンスキー:交響詩「人魚姫」という垂涎のプログラム。どうしても一度生で聴きたいと希っていた作品ばかりだ。
僕の知る限り、在阪オケが定期演奏会でコルンゴルトを取り上げるのはこれが史上初ではないだろうか?正に"Heaven, I'm in heaven."🎶と歌い出したい気分。寺岡さん、2017年には是非コルンゴルトの交響曲 嬰ヘ長調もやってください!
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