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2015年9月 1日 (火)

福田進一&フランシスコ・ベルニエール ジョイントリサイタル

8月29日(土)ザ・フェニックスホールへ。福田は日本を代表するギタリストであり、ベルニエールはスペイン出身新進気鋭のギタリストである。

《ソロ/フランシスコ・ベルニエール》

  • ソル:モーツァルト「魔笛」の主題による変奏曲
  • J.S.バッハ(セゴビア 編):シャコンヌ ニ短調
  • ガルシア・アブリル:バデメクム(手引書)より
    1.小さなエチュード
    2.カンシオン(歌)
    3.ディヴェルティメント
    4.ベルスーズ(子守唄)
    5.アレルヤティカ(ハレルヤ風に)
  • ヴィラ=ロボス:プレリュード第1番
  • タレガ:グラン・ホタ

《ソロ/福田進一》

  • ロドリーゴ:古風なティエント
  • マネン:幻想ソナタ

《デュオ/ベルニエール&福田》

  • ガルシア・アブリル:ヒラルダへの讃歌
    (白寿ギターフェスタ2015委嘱作品)
  • ソル:幻想曲 ホ長調
  • ファリャ:「三角帽子」より”粉屋の踊り”(アンコール)

このコンサートを聴きたいと想った動機はまずモーツァルト:「魔笛」の主題による変奏曲があったこと。これは佐々木守(脚本)実相寺昭雄(監督)の傑作テレビドラマ「怪奇大作戦 京都買います」の全編に流れ、強い印象を受けたから。

もうひとつは事前の発表でグラナドス:スペイン舞曲 第5番「アンダルーサ」が予定されていたこと。僕が大好きなスペイン映画「エル・スール(南へ)」で流れる曲なのである。

ところが、ベルニエールの気が変わり、本番で急遽ヴィラ=ロボスに変更になった。

「魔笛」の主題による変奏曲は速めのテンポで軽やか。

大バッハのシャコンヌは無伴奏ヴァイオリンのための作品だが、ギターで聴くと寂寥感があり、その違いが面白かった。最初の妻マリア・バルバラが亡くなった年に作曲され、そのことが音楽に反映されていると言われている。主君レオポルト候のお供でチェコ西部の温泉保養地カールスバートを訪れていたバッハが、妻の死を知ったのは帰宅した時のことだったという。

スペインの作曲家ガルシア・アブリル(1933- )は初めて聴いた。「手引書」のカンシオンはサティのジムノペディみたいな美しい曲。子守唄は繊細な感情の襞が巧みに表現されている。

タレガは陽光が燦々と降り注ぐような音楽。途中、大太鼓や小太鼓(スネアドラム)みたいな音も登場して愉しい。

ロドリーゴの「古風なティエント」は渋いけれど、味がある逸品。

マネンはサラサーテのライヴァルと言われたヴァイオリニストで「幻想ソナタ」は1930年セゴビアの求めに応じて作曲された。福田はマネンのオーボエ協奏曲を聴き気に入ったとのことで、最近「幻想ソナタ」に取り組み始めたと。曰く「ややこしい曲です」。18分位の大作で途中唸り声をあげるなど熱演だった。

「ヒラルダへの讃歌」というタイトルはセビーリャにあるヒラルダの塔に由来する(写真はこちら)。福田は「ガウディの教会を連想させるような構築性があり、シャコンヌ級の荘厳な音楽」と評した。ポリリズムを駆使した複雑で格好いい曲だった。

ソルの幻想曲は華やかで愉しい曲。リラックスして笑顔の演奏だった。

今回はガルシア・アブリルを知ったのが大きな収穫だった。中身が濃く、来年もこの企画を聴きに訪れたい。

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