児玉宏のブルックナー第9番
9月28日(月)ザ・シンフォニーホールへ。
児玉宏/大阪交響楽団で、
- リスト:交響詩「オルフェウス」
- ワーグナー:ファウスト序曲
- ブルックナー:交響曲 第9番
を聴く。ワーグナーはブルックナーの心の師であり、ワーグナーの妻コジマはリストの娘という関係。
「オルフェウス」は指揮台の目の前にハープ2台が置かれた。たおやかな官能。それはワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」に通じるものがある。
ファウスト序曲は歌劇「さまよえるオランダ人」に繋がっている。魂の救済というゲーテ「ファウスト」のテーマは「さまよえるオランダ人」と同一性があると言えるだろう。
ブルックナーの第9番は第1楽章冒頭部のスタカートやアクセントが明確で、突如出現するトゥッティはズシリと腹にこたえる圧倒的音圧。輝かしい響きだった。速めのテンポで音楽は滔々と流れ、筋肉質で引き締まった児玉の棒裁きはいたって明晰。
第2楽章最初のピチカートは軽やかで、続く(「ヨハネの黙示録」に書かれた最後の審判を想起させる)暴力的刻み音型との対比が鮮やか。中間部も兎に角リズミカルで、これで踊れるんじゃないかと想った。そして第3楽章で訪れる浄化の神々しいまでの美しさ。
僕がこのコンビを初めて聴いたのは2006年5月12日の定期演奏会だった。その時の曲目がブルックナーの第7番で、どんどん高みの登っていく演奏に一気に魅了された。両者初顔合わせとなった2005年1月の第3番こそ聴き逃したが、それ以外は00番、0番を含め、シリーズ全てを聴いた。そして迎えた最終章。感無量である。今シーズンをもって同オケの音楽監督を勇退する児玉だが、来年度以降も是非客演して欲しい。朝比奈・ヴァント亡き後、児玉のブルックナーは現役指揮者の最高峰なのだから。
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