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2015年8月26日 (水)

怪優ジェイク・ギレンホールが夜のLAを徘徊する!〜映画「ネットワーク」×「タクシードライバー」=「ナイトクローラー」

評価:A+

Nightcrawler Nightt

「ナイトクローラー」は約2時間、悪夢の中をさまよい続けているような感覚に襲われる、おぞましい映画である。報道ニュース専門のパパラッチ(フリーランスのカメラマン)の物語。視聴率競争に踊らされるテレビ業界人の狂騒を描き、パディ・チャイエフスキーがアカデミー脚本賞を受賞したシドニー・ルメット監督の映画「ネットワーク」(1976)と、カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した、ポール・シュレイダー脚本、マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」(1976)を掛け合わしたような作品。むしろ本作を観ると、「タクシードライバー」の方が真っ当なんじゃないかと錯覚するくらい、狂っている。主人公ルーは人々の絶望を食い物にするモンスターである。「タクシードライバー」のトラヴィスの頭がいかれてしまうのはベトナム戦争が原因だが、ルーの場合は若者の貧困という社会構造であり、刺激を求めて要求がエスカレートしていく世間の風潮に元凶がある。

公式サイトはこちら

脚本家として活躍するダン・ギルロイの初監督作品。アカデミー脚本賞にノミネートされたシナリオは練りに練られている。ハラハラ・ドキドキしながら、観ていてときめいた。こういうタイプの作品には滅多にお目にかかれるもんじゃない。

プロデューサーも兼任した主演のジェイク・ギレンホールは2ヶ月掛けて12Kg減量したそうで、「痩せこけたハイエナ」のイメージを的確に表現している。落ち窪んだ眼窩から大きな目がギョロリと覗いている。飢えた獣の不気味さ。こいつ、マジやばいぜ!!

僕はジェイクが10歳の時のデビュー作「シティ・スリッカーズ」から映画館で観ていて、18歳の主演作「遠い空の向こうで」なんかは青春映画の大傑作だと想っているのだけれど、いつから彼はこんな怪優になったのか!?思い返せば「ゾディアック」(2007)の頃からその兆しはあった。「プリズナーズ」(2013)のロキ刑事もダークで印象深かったなぁ。今やピーター・カッシング、ヴィンセント・プライス、クリストファー・リー、岸田森などの系譜に連なる怪優列伝に加えてもいい。天晴である。彼の今後の活躍が愉しみだ。

研修期間(インターンシップ)という名目により無償で働かされ、消耗品としてボロ布のように使い捨てされる若者たち。この悲劇的状況はアメリカだけに限ったことではないだろう。必見。

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