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2015年8月25日 (火)

ミュージカル「レ・ミゼラブル」 2015@大阪公演

梅田芸術劇場でミュージカル「レ・ミゼラブル」を2回観劇。

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上記事にも書いたのだが、僕が初めてこの舞台を観たのが1994年、その時はまだ梅田芸術劇場ではなく、「劇場飛天」だった。あれから21年。「こんな貧乏臭い左翼ミュージカルなんか嫌いだ!」とか言いながら、通算9回観劇したことになる。初代ジャン・バルジャンで、映画では司教役で出演したコルム・ウィルキンソンのコンサートにも足を運んだし……。なんと僕が一番大好きなミュージカル「オペラ座の怪人」の鑑賞回数7回を遂に超えてしまった。これは少々言い訳をしておくと、劇団四季の「オペラ座」はリピートする気になれないんだよね。東京以外はカラオケ上演だし、キャストも選べないから。因みに7回中3回はウエストエンド(ロンドン)、ブロードウェイ(ニューヨーク)、ラスベガスでの鑑賞である。なお、僕が一番沢山観ているミュージカルは「エリザベート」で、ウィーン版・東宝版・宝塚版(大劇場&ガラ・コンサート)を併せて14回となる。閑話休題。

さて、8月16日(日)のキャスト。

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続いて8月22日(土)のキャスト。

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なるべく配役に重複がないよう選んだ。眺めていて初めて気が付いたのだが、リトル・コゼットとリトル・エポニーヌって役替りしているんだ!

ジャン・バルジャンの福井晶一は冒頭で獣性をむき出しにして、激しい演技で中々良かった。ただ高音は少々辛そうだった。逆にヤン・ジュンモは高音が軽々と出るのだが、些か日本語の発音に違和感を覚えた。

ジャベールの吉原光夫は一昨年、ジャン・バルジャン役を観ている。この人の声はバリトンで声量があって劇的。僕は好きだな。川口竜也は端正な印象。”♪星よ”も上手い。

ファンテーヌの里アンナは無難な歌と芝居。宝塚歌劇出身の和音美桜は澄んだ美しい声と入魂の演技で素晴らしかった。10周年記念コンサートのルーシー・ヘンシャルとか映画版のアン・ハサウェイと比べると、どうも日本版の歴代ファンテーヌは物足りなかったのだが、漸く理想の人にめぐり逢えた。彼女にはこの秋、ソンドハイムのミュージカル「パッション」(日本初演)で再会出来るので、今から愉しみだ。

笹本玲奈は島田歌穂と並び、僕にとってベスト・エポニーヌである。歌に感情を込められる娘(こ)だし、なんてったって可愛い。また寂しそうな笑顔がいいんだ。平野綾はアニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」の声優として一世風靡したが、主題歌も歌い、エンディングソング「ハレ晴レユカイ」は大ヒットした。で、彼女の歌唱は100点満点。音程は一切ブレないし、囁くようなppから張りのあるffまで声量のコントロールも完璧。歌に限れば、過去から現在に至る世界のエポニーヌの中で間違いなくNo1だろう。ただ演技について言えば、まだまだ十分表現し切れていないもどかしさがある。舞台の経験が少なく、場数を踏んでいないのだから仕方がない。一方、笹本玲奈はミュージカル「ピーターパン」の主役に抜擢されたのが13歳の時だから、キャリアが全然違う。平野綾くらい歌える人は日本ミュージカル界にとって貴重な存在だから、彼女の今後の成長と活躍を大いに期待する。

あとアンジョルラスの上山竜治がよく通るテノールの歌声で凄く良かった。インターナショナル・キャストCDのアンソニー・ワーロウや25周年記念コンサートのラミン・カリムルーと比べても遜色ないんじゃないかな?

旧演出から新演出への大きな変更点として盆(回り舞台)がなくなったことと、映像が活用されていることが挙げられる。大掛かりな装置を省略することでツアーが出来るようにすることがその主な目的と考えられるが、映像を多用する演出は安っぽくなってしまうケースが多い。しかし「レ・ミゼ」に関しては映像に頼りすぎることなく、成功例であると言えるだろう。ふと想い出したのだが、旧演出ではバリケードがぐるっと回転してアンジョルラスが逆さ吊りで死んでいるのを見せ、そこで客席から拍手が起こるのが慣例だった。回転はなくなったけれど新演出もその辺りを上手に見せている(拍手はなくなった)。旧演出から受け継がれた手法としては劇中の人物が死ぬ(天に召される)と、照明が白色に変化するんだよね。あれはとても印象的だ。

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