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グローリー ー明日への行進ー

評価:A

Selma

原題"Selma"はアフリカ系アメリカ人(長いので以下、黒人と略す)が選挙権を求める「セルマ(からモンゴメリーへの)大行進」のことを指す。1965年3月7日の出来事だった。アカデミー賞では作品賞にノミネート。歌曲賞を受賞した。公式サイトはこちら

キング牧師こと、マーティン・ルーサー・キング・Jrのことを初めて知ったのは僕が高校生の時である。1963年のワシントン大行進の際に彼がしたスピーチを英語の副読本で読んだのだ。授業では彼の肉声テープも聞き、甚く感銘を受けた。内容もそうだが、キング牧師のスピーチは聴衆を熱狂させる技術においても卓越している。"I Have a Dream"というフレーズのリフレインが心地いい。リズム感がある。ゆっくりと話し始めて、クライマックスに達するとどんどん加速して言葉を畳み掛ける。高揚感があるのだ。

アカデミー作品賞・監督賞を受賞した映画「ガンジー」(1982)を映画館で観た時、僕は「次は(同じく非暴力・非服従を生涯貫いた)キング牧師の伝記映画がきっと創られるな」と想った。しかしそれから何と30年以上も待たさされることになろうとは、想像だにしなかった。「セルマ大行進」から半世紀、漸く映画は産声を上げた。

監督はエヴァ・デュヴァネイ、43歳の黒人女性である。どうしてこれだけ難産だったのか、彼女はその理由を語っている。

「キング牧師のスピーチには著作権がかけられているの。それは、すでに他の監督のものになっていたわ。その監督っていうのはスティーヴン・スピルバーグなの。だから映画の中でキング牧師のスピーチは使えなかった。彼が何を伝えようとしたのかを第一に考えて、全て言い換えていったの」

つまりスピーチを映画で使用するには遺族全員の了承が必要だった。スピルバーグはその難題を見事にクリアした。しかし最終的に映画のシナリオに遺族のO.K.が出ず、企画は膠着状態に陥っていた。そこでエヴァ・デュヴァネイは誰も思いつかなかったゲリラ戦を仕掛けたというわけ。鮮やかである。待った甲斐があった。

キングを聖人としてではなく、彼の人間的弱さ、迷い、苦悩まで描いたところが素晴らしい。等身大の存在として彼が降りてきた。

キングを演じたデヴィッド・オイェロウォはパーフェクト。もしスピルバーグの企画が動き出したら、是非彼にもう一度同役をやって欲しい。

あとラップとゴスペルを融合した主題歌が最高だね!映画の最後に聴くと、鳥肌が立つぐらい感動した。

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