「天女散花、恋は魔術師♡」いずみシンフォニエッタ大阪 定期
7月18日(土)いずみホールへ。
飯森範親/いずみシンフォニエッタ大阪の定期演奏会。その前にロビーコンサートあり。
本編の方は、
- ヴィラ=ロボス:ブラジル風バッハ 第9番
- ヴィラ=ロボス:前奏曲 第3番(ギター・ソロ)
- 西村朗:ギター協奏曲「天女散花」
(ギター/鈴木大介) - 坂東祐大:めまい 世界初演
- ファリャ:恋は魔術師
(小編成アンサンブルのための1915年オリジナル版)
弦楽合奏によるブラジル風バッハは透明感があって清浄。
「天女散花」は色彩感豊かな幻夢を描く。
「めまい」は耳鳴り・痙攣(エクソシスト的)・過呼吸・吐き気・幻覚症状といった生理現象(官能からゲロまで)を題材にしており、極めてユニーク。新しい響きがあった。クライマックスではバーナード・ハーマンがヒッチコック映画「めまい」のために作曲したScene d'amour(愛の情景)が引用され、音楽がスパイラルを描きながら上昇、そして一気に落下するのを聴いて、キム・ノヴァクがジェームズ・スチュワートに引き摺られるように教会の鐘楼にある螺旋階段を登り、転落する光景が脳裏に鮮やかに蘇った。曲が終わると客席から笑いが起こったが、現代音楽の演奏会では珍しい。いや~面白い体験だった。坂東祐大、大阪府高石市出身の24歳。おぬし、中々やるな!
- 聴いておきたい映画音楽 私的50選
(2009年に書いた記事。「めまい」を第2位に選出)
「恋は魔術師」のメゾ・ソプラノは林美智子、ナレーションを太田真紀が担当した。14−5人程度の小編成オーケストラは精緻で切れがあった。林の歌は艶やかで、太田のナレーションも物語性があって出色の出来。1925年改訂バレエ版とは台本が異なり、聴き応えがあった。
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