アンサンブル・ウィーン=ベルリン
7月9日(木)いずみホールへ。アンサンブル・ウィーン=ベルリンを聴く。1983年に結成。初期メンバーはヴォルフガング・シュルツ(Fl. ウィーン・フィル)、ハンスイェルク・シェレンベルガー(Ob. ベルリン・フィル)、カール・ライスター(Cl. ベルリン・フィル)、ミラン・トルコヴィッチ(Fg. ウィーン響)、ギュンター・ヘーグナー(Hr. ウィーン・フィル)だった。今回来日したのはカール=ハインツ・シュッツ(Fl. ウィーン・フィル)、クレメンス・ホラーク(Ob. ウィーン・フィル)、アンドレアス・オッテンザマー(Cl. ベルリン・フィル)、リヒャルト・ガラー(Fg. ウィーン響)、シュテファン・ドール(Hr. ベルリン・フィル)。曲目は、
- バーバー:夏の音楽
- メンデルスゾーン(シェーファー編):夏の夜の夢
- フェルステル:木管五重奏曲
- ドヴォルザーク(シェーファー編):弦楽四重奏曲 第12番「アメリカ」
- リベラ:コントラダンツァ ベネズエラのワルツ(アンコール)
編曲のウルフ=グイド・シェーファーはマーロット木管五重奏団に所属するクラリネット奏者。
兎に角、純粋で抜けるようなホルンの音に魅了された。またフルートはほとんどヴィブラートをかけず、真っ直ぐ。先日亡くなったヴォルフガング・シュルツもそうだったので、このスタイルはウィーン・フィルの伝統なのかも知れない。ただクラリネットはいただけない。直ぐに管にツバが溜まるのか、音が濁る。ライスターやフックス、ポール・メイエらと比較すると、オッテンザマーの実力は明らかに劣る。
バーバーは茹だるような暑さと、高原の透明感が同居したよう。
「夏の夜の夢」の間奏曲は森の木々を疾風が通りぬけ、職人の登場は朴訥。妖精の行進はチョコマカ動き、スケルツォは軽やかで精緻。夜想曲ではホルンの甘い音に溜息が出た。
「アメリカ」第1楽章第1主題はファゴットのソロで開始された。これはアレンジに疑問を感じた。つい先日、五嶋みどりらの素晴らしい演奏を聴いたばかりだったので、オリジナルには敵わないなぁと感じた。
アンコールは小粋で洒落ていた。
クラリネットがアレだったけれど、ホルンが極上だったので十分満足した。
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