フィリップ・スパーク登場!「大阪市音楽団」改め、Osaka Shion 定期
6月2日(火)ザ・シンフォニーホールへ。
「大阪市音楽団」改め、Osaka Shion Wind Orchestra定期演奏会。
今回はイギリスの作曲家フィリップ・スパーク指揮による自作自演のプログラム。
- オリエント急行
- 風のスケッチ 〜2014年度新作〜
- ドラゴンの年
- ディザーツ(砂漠)
- 故郷からの手紙
- 宇宙の音楽
アンコールは
- 陽はまた昇る(2011年、東日本大震災復興支援曲)
- サンダーバード(バリー・グレイ作曲/P.スパーク編曲)
アルフレッド・リード亡き後、吹奏楽作曲家の世界3大巨匠はオランダのヨハン・デ・メイ(指輪物語)、ベルギーのヤン・ヴァン・デル・ロースト(スパルタクス、アルセナール)そしてフィリップ・スパークだと僕は思っている。ただスパークは実に優れた作曲家だが、指揮者としては?マークが付く。軽快だけれど淡白で、何か物足りないんだよね。右耳から左耳に音が通り抜けて、後に何も残らない。要するに詰まらない。
「オリエント急行」は明るく愉快な音楽。旅気分を満喫。
「風のスケッチ」第1楽章”貿易風”マーチはアイリッシュさが魅力的。第2楽章”風がやんで”はイベールの「寄港地」風でエキゾチック。第3楽章”嵐にのって”は力強いコラールがあり、モクモクと雲が湧いてくるようなイメージを抱いた。
「ディザーツ(砂漠)」冒頭はボロディンの「中央アジアの平原」を想起させる。途中、打楽器の強烈な連打が入るところはモーリス・ジャール「アラビアのロレンス」みたい。
「故郷からの手紙」は何だか懐かしく、爽やか。一服の清涼剤だった。
「宇宙の音楽」は2005年6月3日に、ザ・シンフォニーホールで山下一史/大阪市音楽団による吹奏楽版世界初演を聴いている(その日、スパークが臨席していた)。藤重佳久/精華女子高等学校が全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した演奏も普門館で聴いた。さらに中川重則/なにわ《オーケストラル》ウィンズ2014@ザ・シンフォニーホールも生で聴いている。ワクワクするし、大好きな曲だ。で、今回の演奏は冒頭のホルン・ソロがお粗末でズッコケた。ライヴ・レコーディングを行っているようだが、到底商品化出来るレベルじゃない(多分、ゲネプロのテイクを採用することになるだろう)。その後もホルンはミスを連発。はっきり言う、普門館における精華女子の方が余っ程上手かった。プロとして失格、顔を洗って出直して来い!という訳で、「宇宙の音楽」については指揮者の解釈も含めて山下一史による2005年版CDに軍配を上げる。
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