映画「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」
評価:B+
公式サイトはこちら。
原恵一監督によるクレヨンしんちゃん映画「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」は掛け値なしの傑作である。しかしこのシリーズから離れて以降の「河童のクゥと夏休み」「カラフル」「はじまりのみち(実写)」はパッとしなかった。
「百日紅」は久しぶりに良いと太鼓判を押せる作品となった。僕はこのアニメに通底する空気感が好きだ。江戸の息吹が感じられる。特に主人公が橋の上に立って、そこを通り過ぎる物売りたちの声/音に耳を傾ける場面は落語みたいだなと想った(例えば上方落語「次の御用日」)。調べてみると案の定、原作者の杉浦日向子は落語が好きだったという。また本作には落語家・立川談春が声優として参加している。
短編のエピソードを繋げて脚色しているので、盛り上がりに欠けるきらいはある。でもこういう淡々とした作品もあっていい。ほら、皆が「マッド・マックス」みたいなテンションだと疲れるじゃない?
Twitter上ではこの映画について「日本髪の櫛の位置が変」とか「おはしょりがおかしい」とか話題になっているが(こちら)、僕にはどうでもいいことに想われた。ちなみに原監督によると、今回のアニメ化に際して時代考証は一切やっていないそうである(出典→週刊文春の記事より)。
| 固定リンク | 0
「Cinema Paradiso」カテゴリの記事
- 2020年 アカデミー賞・答え合わせ〜徹底的に嫌われたNetflix!(2022.03.29)
- 映画「ドリームプラン」でウィル・スミスはアカデミー賞受賞という悲願を達成出来るのか?(2022.03.08)
- 2022年 アカデミー賞大予想! 〜今年のテーマは被差別者・マイノリティーを祝福すること(2022.03.27)
- 映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(スピルバーグ版)(2022.03.10)
- ジェーン・カンピオン vs. スピルバーグ、宿命の対決!!「パワー・オブ・ザ・ドッグ」(2022.02.17)
「アニメーション・アニメーション!」カテゴリの記事
- 竜とそばかすの姫(2021.08.10)
- 映画「ミナリ」と、ハリウッド実写版「君の名は。」(2021.04.02)
- 中二病からの脱出〜映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」(2021.03.11)
- わが心の歌 25選 ⑧フランク・シナトラ「マイ・ウェイ」(多くの日本人が知らない歌詞の意味)と「私を月まで連れてって!」(2021.02.02)
- 真風涼帆(主演)宝塚宙組「アナスタシア」と、作品の歴史を紐解く。(2020.12.02)
コメント