映画「百日紅 〜Miss HOKUSAI〜」
評価:B+
公式サイトはこちら。
原恵一監督によるクレヨンしんちゃん映画「オトナ帝国の逆襲」と「戦国大合戦」は掛け値なしの傑作である。しかしこのシリーズから離れて以降の「河童のクゥと夏休み」「カラフル」「はじまりのみち(実写)」はパッとしなかった。
「百日紅」は久しぶりに良いと太鼓判を押せる作品となった。僕はこのアニメに通底する空気感が好きだ。江戸の息吹が感じられる。特に主人公が橋の上に立って、そこを通り過ぎる物売りたちの声/音に耳を傾ける場面は落語みたいだなと想った(例えば上方落語「次の御用日」)。調べてみると案の定、原作者の杉浦日向子は落語が好きだったという。また本作には落語家・立川談春が声優として参加している。
短編のエピソードを繋げて脚色しているので、盛り上がりに欠けるきらいはある。でもこういう淡々とした作品もあっていい。ほら、皆が「マッド・マックス」みたいなテンションだと疲れるじゃない?
Twitter上ではこの映画について「日本髪の櫛の位置が変」とか「おはしょりがおかしい」とか話題になっているが(こちら)、僕にはどうでもいいことに想われた。ちなみに原監督によると、今回のアニメ化に際して時代考証は一切やっていないそうである(出典→週刊文春の記事より)。
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