ラ・フォル・ジュルネびわ湖2015
5月2日(土)3日(日)にびわ湖ホールで開催されたラ・フォル・ジュルネの公演を幾つか聴いた。昨年は3日間あったのに規模が縮小している。大丈夫なのか?今年のテーマは「PASSIONS パシオン・バロック~バッハとヘンデル~ 」なのだが、びわ湖では受難曲(=PASSION)なし。ちなみに東京のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポンではバッハ・コレギウム・ジャパンが「マタイ受難曲」全曲を演奏した。またあちらでは鈴木秀美によるバッハ:無伴奏チェロ組曲もあったようで、びわ湖でも聴きたかったな。
遊覧船ミシガンでサックスとビアノによる井高寛朗ジャズバンド(G線上のアリアやA列車で行こう)を聴いたのだが、湖陸風が気持ち良かった!
放水による虹も見た。
なんだか「ショウボート」に乗っている気分。実際、港ではミュージカル「ショウ・ボート」のナンバー、《オールド・マン・リバー(Ol' Man River)》が流れていた。因みにこれはミシシッピ川のことである。
琵琶湖上には沢山ヨットが漂っていた。
2日、びわ湖ホール 小ホールで中野振一郎のチェンバロを聴く。
- J.S.バッハ:コラール「神の御心に委ねるものは」
- バーセル:新しいグラウンド「ここに神々が証を」
(オード「来たれ歓喜」より) - パーセル:新しいアイルランドのしらべ
- F.クープラン:第14オルドルより「恋のうぐいす」とドゥーブル
「おびえる紅ひわ」「シテール島の鐘(カリヨン)」「些細なこと」 - フローベルガー:組曲 ハ長調
ラメント、ジーグ、クーラント、サラバンド - J.S.バッハ(中野振一郎編):シャコンヌ
- F.クープラン:神秘のバリケード(アンコール)
中野先生が超絶技巧の持ち主ということは以前から承知しているが、今回聴きものだったのは何と言ってもシャコンヌ。華麗な編曲で、原曲が無伴奏ヴァイオリンのために書かれたというのを忘れそうになった。
続いて大ホールでナビル・シェハタ/大阪フィルハーモニー交響楽団を聴く。オール・バッハ・プログラムで、
- ストコフスキー編:前奏曲 変ホ長調 BWV853
- 〃:パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV582
- 〃:トッカータとフーガ ニ短調 BWV565
- 斎藤秀雄編:シャコンヌ
(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番より)
「前奏曲」は弦楽器のみ。繊細な最弱音が際立っていた。
「パッサカリアとフーガ」で管が加わる。峻厳とした響きでホルンが実に雄弁だった。
ディズニーの「ファンタジア」でお馴染み、「トッカータとフーガ」には切れがある。メリハリに富み、丁々発止のやりとりが心地よい。
斎藤秀雄の「シャコンヌ」ではバスクラとコントラファゴットが抜けた。滑らかな箇所(レガート)と厳しい表現のコントラストが鮮明。なんだかロマンティックなアレンジだなと感じた。斎藤秀雄はチェロ奏者であり、ストコフスキーは教会のオルガニストとしてキャリアをスタートさせた。両者の違いがオーケストレーションにも反映されているなと得心が行った。
翌3日、中ホールでイリーナ・メジューエワのピアノを聴く。
- J.S.バッハ:イタリア協奏曲
- J.S.バッハ:カプリッチョ「最愛の兄の旅立ちに寄せて」BWV992
- J.S.バッハ:パルティータ 第6番
淡々として朴訥。ペダルはほとんど使用しない。均衡のとれた調和、楷書の美しさがあった。
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