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これは必見!〜日本未公開映画「やさしい本泥棒」

映画「やさしい本泥棒」(The Book Thief)をどうしても観たいと想った切っ掛けは、本作でジョン・ウィリアムズが2013年のアカデミー賞で作曲賞にノミネートされたことである。公式サイトはこちら

The_book_thief

僕は小学生の時からジョン・ウィリアムズの大ファンで、彼が音楽を担当した映画のサントラは(地球上に存在するもの)全てを所有している。「おしゃれ泥棒」(1966)や「華麗なる週末」(1969)、「11人のカウボーイ」(1971)、「ポセイドン・アドベンチャー」(1972)は無論のこと、テレビ・ドラマ「アルプスの少女ハイジ」(1968)とか「ジェーン・エア」(1970)なんてレア物も我が家のコレクションには揃っている。唯一残念なのはルチアーノ・パヴァロッティが主演し、アカデミー歌曲賞候補になった「イエス・ジョルジョ」がLPレコードしか持っていなくて、CDを買いそこねたこと(現在、当然廃盤)。悔しいので北米版DVDを近々入手する予定。閑話休題。で、本作はまず優しいピアノの旋律が印象的な音楽から大好きになったわけ。

日本では当初2014年6月に公開予定だったのだけれど、結局中止になり、いきなりビデオスルー(DVDスルー)になってしまった。しかも2015年1月7日にTSUTAYA DISCASなどでレンタル開始されただけで、発売はなし!20世紀フォックスのやり方には呆れ果てた。仕方がないのでTSUTAYAで借りて観た。ちなみにアカデミー賞で長編アニメーション部門にノミネートされた「ヒックとドラゴン2」もDVDスルーで、日本での劇場公開を求めてファンが熱心に署名運動を展開したが徒労に終わった。

「やさしい本泥棒」はナチス・ドイツ時代のドイツが舞台になっている。主人公は読書が大好きな少女。レイ・ブラッドベリの「華氏451度」を彷彿とさせる焚書の場面もある。「シャイン」でアカデミー主演男優賞を受賞したジェフリー・ラッシュ(「英国王のスピーチ」)やエミリー・ワトソン(「奇跡の海」「戦火の馬」)ら名優がその脇を固める(ふたりとも素晴らしい!)。

まず死神が語り部というのが新鮮で気に入ったし、主人公の少女の親友になるルディが金髪の可愛らしい少年でいい味出している。本作の寒々しく、そしてそこはかとなく物哀しい雰囲気が僕は凄く好きだ。ただ黒板に書く文字が本来ドイツ語でなければいけないのに、英語なのがいかにもハリウッド映画のご都合主義で、鼻白む側面があることも否定は出来ない。評価:B+

特典映像の中でジョン・ウィリアムズは「私がこの作品に魅了されたのは、『言葉は人を救う』というコンセプトです」と語っている。高齢のジョンは最近仕事をセーブしていて(現在83歳)、「ハリー・ポッター」や「スター・ウォーズ」シリーズ、そしてスピルバーグ作品以外を引き受けることは極めて異例である。それだけ何かシナリオの内容が琴線に触れるものがあったのだろう。

そして漸く、2015年6月3日に本作のブルーレイとDVDの発売が決まった。待ちかねたぞ!早速、Amazonでブルーレイを予約したのは言うまでもない。何度でも繰り返し観たい、愛おしい映画である。

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コメント

お久しぶりです。
ドラマ作品でスルー扱いされるのは珍しいですね。フォックスもやりたかったけど結局できなかったのは上映館抑えられなかったからかな?
俺の好きなアメリカンコメディなんてもっと不遇ですよ。アダム・サンドラー主演作品なんてここんとこずっとスルーだし。
「ハングオーバー」三部作が(修正が入ったとは言え)日本で公開されたのはある意味奇蹟だったかも。

追記
ところでアンジェリーナ・ジョリー監督の「アンブロークン」に至ってはスルーどころかお蔵入り!?

投稿: S | 2015年4月23日 (木) 20時59分

Sさん、お久しぶりです。

まぁ結局、端的に言えば「映画は映画館で観る」という時代の終焉が近づいているということなのでしょう。興行的にリスクのある作品は切り捨てられるのです。

昔は家庭とは違って映画館で観るメリットはありました。フィルム上映だったからです。しかし最近は殆どデジタル上映となり、家庭でブルーレイを観るのと大差なくなってしまいました。唯一の利点は画面の大きさのみ。

アンジェリーナ・ジョリーの「アンブロークン」、観たいですね。撮影監督があの”無冠の帝王”ロジャー・ディーキンスですし(アカデミー賞12回めのノミネートにしてまた落選)!少なくともDVDは発売されるのでは?ポール・シュレイダー監督の"MISHIMA"とか、「サウス・パーク」第3シーズン幻の第10話「Chinpokomon(チンポコモン)」みたいにならないことを切に希望します。

投稿: 雅哉 | 2015年4月23日 (木) 21時59分

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