伝説の初代バルジャン、コルム・ウィルキンソン初来日!- Broadway and Beyond Japan
4月25日(土)梅田芸術劇場へ。
ミュージカル「レ・ミゼラブル」ジャン・バルジャン役のオリジナル・キャストとして余りにも有名なコルム・ウィルキンソン(70歳)の初来日コンサートを聴く。映画版「レ・ミゼ」では司教を演じた。
またウエストエンドでファントム役を、ブロードウェイで「レ・ミゼ」ジャベール役を演じるアール・カーペンターや、カナダで「レ・ミゼ」ファンティーヌ役を演じたスーザン・ギルモア、そして宝塚歌劇の「ロミオとジュリエット」でジュリエットを演じた則松亜海らが参加。
プログラム前半
- 「オペラ座の怪人」Music of the Night(コルム)
- 同 All I Ask of You(アール&亜海)
- テネシー・ワルツ〜Folsom Prison Blues(コルム、ギター片手に)
- 「レ・ミゼラブル」夢やぶれて(スーザン)
- 「ミス・サイゴン」ブイ・ドイ(アール)
- 「エビータ」アルゼンチンよ、泣かないで(亜海)
- 朝日のあたる家(コルム、バックコーラス;スーザン&アール)
〜ニューオリンズを襲ったハリケーン・カトリーナの被災者に捧ぐ〜 - ダニー・ボーイ(アイルランド民謡)(コルム)
- 「ジキル&ハイド」This is the Moment(コルム)
プログラム後半
- 「ラ・マンチャの男」ラ・マンチャの男〜見果てぬ夢(コルム)
- 「チェス」アンセム(コルム、スーザン&アール)
- ABBA : The Winner Takes It All(スーザン)
- 「レ・ミゼラブル」Stars(アール)
- 「アナと雪の女王」Let It Go(亜海、英語歌唱)
- レナード・コーエン:ハレルヤ(コルム、スーザン&アール)
- Mama Don't Allow(コルム)
- Get Back - She's Leaving Home - Hey Jude
ザ・ビートルズ・トリビュート(コルム、スーザン&アール) - J. レノン:Imagine 〜 T. パクストン:Peace Will Come
(コルム、スーザン&アール) - 「レ・ミゼラブル」Bring Him Home(コルム)
コルムはアイルランド出身。だからダニー・ボーイは当然としても他にビートルズあり、アメリカのカントリー・ミュージックありとバラエティに富んだプログラム。特に「ママがギターを弾くことを、許してくれないんだ!」と歌うMama Don't Allowなんかノリノリで、意外な一面を見せてくれた。
コルムは1990年の「ジキル&ハイド」コンセプト・アルバム(ハイライト盤)でThis is the Momentを歌っている。因みにこのミュージカルは同年テキサス州ヒューストンで初演、数々のトライアル(試演)を経てブロードウェイに上陸したのは1997年のことである。また彼は「オペラ座の怪人」カナダ(トロント)公演のオリジナル・キャストでもある。「オペラ座の怪人」のロンドン初演は1986年であるが、実はアンドリュー・ロイド=ウェバーが1985年に行った関係者向けのワークショップで、コルムがファントムを演じていた(上演されたのは1幕のみ)。つまりMusic of the Nightを世界で初めて歌ったのは彼だったのだ。ウェバーはウエストエンド公演でも彼の登板を望んだが、既に「レ・ミゼ」出演が決まっていたために叶わなかったという。また1972年に「ジーザス・クライスト・スーパースター」ダブリン公演でユダを演じており、その頃から作詞家のティム・ライスとは旧知の仲で「チェス」のアンセムを歌ってみないか?とティムから声を掛けられたそう。
「オペラ座の怪人」25周年記念コンサートでファントム役に抜擢されたラミン・カリムルーは次のように語っている。
12歳の時、コルム・ウィルキンソンが主演する『オペラ座の怪人』を学校行事で観て、「僕もいつかファントムになる」と決めました。コルムの歌声に魂をつかまれ、楽屋口に「どうしたらあなたのように歌えるのですか?」と聞きに行ったら、ロックバンドを組んでいただけで特に訓練を受けたことはない、と。そうか、と思って僕もロックバンドを結成しました。
コルムがやったことはすべてやった、それが僕の歩いてきた道なんです。
コルムは現在70歳のおじいちゃんだが、未だに高い声が出るので驚かされる。むしろ低音よりも高音に張りがあり、伸びる。「チェス」は誇り高く、品があった。
アール・カーペンターは甘く、いい声。「ミス・サイゴン」なんかさすがの上手さ。
スーザン・ギルモアの「夢やぶれて」は余り感心しなかった。コルムも出演した「レ・ミゼラブル」10周年記念コンサートでファンティーヌを歌ったルーシー・ヘイシャルや映画版のアン・ハサウェイの方が断然好き。でもABBAのThe Winner Takes It Allは凛とした歌唱で、凄くよかった。
ジョン・レノンの「イマジン」で盛り上がり、出演者全員がお辞儀をして舞台袖に引っ込む。鳴り止まない拍手。やがてコルムひとりが戻ってきた。な、何と「レ・ミゼラブル」で軍服を着たジャン・バルジャンの姿で!!!聴衆は熱狂し、会場が興奮の坩堝(るつぼ)と化したことは言うまでもない。コルムのために作曲されたBring Him Home(彼を帰して)。慈愛に満ちた神の声。一生忘れられない想い出となった。
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