Golden Songs 〜梅田芸術劇場10周年記念
2月28日(土)梅田芸術劇場へ。10周年記念コンサート。因みに前身は「劇場・飛天」。僕が初めて「レ・ミゼラブル」を観た時は飛天だった。
出演者は朝海ひかる、安蘭けい、石井一孝、一路真輝、伊礼彼方、湖月わたる、姿月あさと、樹里咲穂、中川晃教、春野寿美礼、平方元基、マテ・カマラス、山崎育三郎ほか。この日のゲストは城田優。
第1幕
- 「シカゴ」:RAZZLE DAZZLE(全員)
- JAZZ MEDLEY
「シカゴ」All That Jazz(湖月)~「ワンダフル・タウン」Swing(安蘭)~「絹の靴下」The Red Blues~「蜘蛛女のキス」Let's Make Love - 「ファニー・ガール」:People(春野)
- 「絹の靴下」Satin And Silk(樹里)
- 「蜘蛛女のキス」:She's a Woman(石井)
Kiss of the Spiderwoman(朝海) - 「エリザベート」夢とうつつの狭間に(一路)
- CHESS in concert:One Night in Bangkok~Someone else’s Story(中川・マテ他)
You and I(安蘭、石井) - 「The Musical AIDA」:エジプトは領地を広げている(湖月、伊礼)
月の満ちるころ(安蘭、伊礼)
私に見えたもの(安蘭)
王家に捧ぐ歌(全員)
第2幕
- 「ロミオ&ジュリエット」世界の王(全員)
どうやって伝えよう(平方)
僕は怖い(山崎) - 「ファントム」:My Mother Bore Me(城田)
This Place Is Mine(樹里)
You Are My Own(姿月) - 「マルグリット」China Doll(春野、湖月)
- 「モーツァルト!」:僕こそミュージック(中川)
星から降る金(一路)
何故愛せないの?(山崎) - 「エリザベート」:パパみたいに~夜のボート(伊礼、春野)
闇が広がる(平方、マテ)
私だけに(朝海)
キッチュ(石井、湖月、樹里)
私が踊る時(マテ、一路)
最後のダンス(姿月) - 「おもひでぽろぽろ」私にしか見えない〜土の唄(朝海)
- MITSUKO:西と東(マテ)
後ろを振り向かずに(安蘭)
愛は国境を越えて(全員)
僕が聴いたのは夜の部だが、後方席に座っているおばちゃんたちが、昼の部がどうだったこうだったと会話しているのが聴こえてきた。連チャンなんだ……。また前方の席では「昼にでーれー観てきた。足立梨花ちゃんて可愛いね」という話題が。岡山県のご当地映画「でーれーガールズ」のことだ。この作品、宝塚歌劇のOG,安蘭けいと白羽ゆりが出演しているのである。つまりこの会話の主は安蘭けいのファンであることを意味する。そのおばちゃん、あろうことか春野寿美礼が"People"を歌っている時にスマホをいじりはじめた。「安蘭けい以外はどうでもええんかい!」また僕の隣に座っている女性が、「モーツァ ルト!」で口をパクパク動かし始めた。チラチラ見ると、どうやら声を出さずに一緒に歌っている模様。この口パクは「エリザベート」やMITSUKOでも続いた。「MITSUKOの歌詞まで覚えているんかい!」と僕は内心でツッコミを入れた。コンサートの内容だけではなく、客も濃かった。
音楽監督・指揮は甲斐正人。「王家に捧ぐ歌(→後にThe Musical AIDA)」「おもひでぽろぽろ」の作曲家であり、ウィーン・ミュージカル「エリザベート」や「モーツァルト!」では音楽監督を務めている。初めて本人を見たが、好々爺という感じ。”パパみたいに”ではパパ役をちょこっと歌い、客席から笑いが起こった。
ちなみに僕は今回演奏された作品のうち、「絹の靴下」「おもひでぽろぽろ」以外は全て観ている(「王家」「ロミジュリ」は宝塚版&梅芸版、「エリザベート」はウィーン版&宝塚版&東宝版)。
とにかく絢爛たる豪華キャスト。「エリザベート」のトート経験者だけでもマテ、一路、姿月、春野、城田と5人いて、エリザベート役は一路、春野、朝海の3人、ルキーニが湖月、樹里(10周年ガラコンサート)、山崎(2015年予定)の3人といった具合。初代ヴォルフガングの中川くんは懐かしかったし(「君こそモーツァルト!」と叫びたくなった)、宝塚版と梅芸版でラダメスを演じた湖月と伊礼が競いあうように歌う”エジプトは領地を広げている”は実にエキサイティングだった。
マテを初めて観たのはウィーン版「エリザベート」引越公演だった。その後彼は日本の舞台にちょくちょく出演するようになり、最早お馴染みの顔に。日本語も大分上手くなった。時は流れる。
「王家に捧ぐ歌」を宝塚で観た時はラダメス:湖月、アイーダ:安蘭けい、そしてアムネリス:檀れいという配役だった。あの時の檀れいは絶頂期で輝くばかりに美しかったなぁ、と懐かしかった。いや、現在でも十分綺麗なのだけれど……(もう43歳だからね)。
一度も舞台でルキーニを演じたことがないという石井の”キッチュ”も迫力があって凄く良かった!彼は宝塚歌劇団・研1生「そよ風薫(そよかぜ・かおる)」という設定。脇をルキーニ経験者の湖月と樹里ががっちり固め、万全の体制。
「おもひでぽろぽろ」は初めて聴いたけれど、なかなかいい曲だね。
夢から醒めても、未だ夢の続きを見ているような贅沢な3時間であった。
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