創作ミュージカル「河内湖」初演!〜大阪桐蔭高等学校吹奏楽部 定期演奏会 2015
2月15日(日)フェスティバルホールへ。大阪桐蔭高等学校吹奏楽部 第10回 記念定期演奏会を聴く。指揮は総監督の梅田隆司先生。
第1部
- 創作ミュージカル「河内湖」(作曲:高 昌帥、台本:梅田隆司)
第2部
- ステージ・マーチング
歌劇「アイーダ」より凱旋行進曲~TOIN ファンファーレ~スター・トレック~組曲「惑星」より「木星」~星条旗よ永遠なれ - バーンスタイン(C.グランドマン 編):ミュージカル「キャンディード」より
序曲~ウェストファリア讃歌~死刑宣告~我らの庭を育てよう - ストラヴィンスキー(R.アールズ 編):組曲「火の鳥」より
子守唄~魔王カスチェイの凶悪な踊り~終曲 - ~3年間の歩み~
「ベイマックス」エンディング・テーマ(AI 「STORY」)~メンケン(鈴木英史 編):「魔法にかけられて」 - ~卒業生(8期生)を送る歌~
GReeeeN:遥か - ストラウス(J.デ=メイ 編):ミュージカル「アニー」メドレー
It's The Hard-Knock Life - You're Never Fully Dressed Without a Smile - Maybe - Tomorrow
アンコールは、
- ロペス夫妻(S.ブラ 編):「アナと雪の女王」シンフォニック・ハイライト
氷の心〜Let It Go〜雪だるまつくろう〜生まれてはじめて〜エピローグ - ももいろクローバーZ「行くぜっ!怪盗少女」
- ゴダイゴ(樽屋雅徳 編):「銀河鉄道999」(ロング・バージョン)
- 星に願いを
第1部の創作ミュージカル(初演)ではオーケストラ・ピットに生徒たちが所狭しとギュウギュウ詰めに陣取った。僕はしばしばオペラやミュージカル観劇目的で劇場に足を運ぶが、オケピにこんなに沢山人が入っているのって見たことがない!
高 昌帥(こう ちゃんす)は大阪音楽大学 准教授。本人の表記に従うと、在日コリアンである。吹奏楽コンクールの自由曲でしばしば取り上げられる「ウィンドオーケストラのためのマインドスケープ」「吹奏楽のための風景詩《日が昇るとき》」が有名。難易度の高い曲を書く、第一線バリバリの現代音楽作曲家という印象が強い。ところが今回の新作「河内湖」は非常に親しみやすいメロディだったので驚いた!こんなキャッチーな曲も書けるんだ。オープニングの輝かしいファンファーレはミクロス・ローザ作曲:映画「ベン・ハー」序曲みたいだった。
古代の大阪・河内湾にはクジラが泳いでいたという。治水対策として20kmにわたる「茨田堤」(まんだのつつみ)が築かれたとか(この堤の痕跡は現存している)、人柱のこととか、とても勉強になる。百舌鳥(モズ)の早贄(はやにえ)についての言及あり、「モズの歌」も登場。モズは捕らえた獲物を木の枝に突き刺したり、木の枝股に挟む行為を行う。秋に初めての獲物を生け贄として奉げたという伝承からこう呼ばれるようになった。
大阪府・堺市に仁徳天皇陵として知られる、墓域面積が世界最大規模の古墳がある。その近くには中百舌鳥町という地名が残っており、仁徳天皇陵も別名「百舌鳥耳原中陵」と呼ばれる。またモズは大阪府・市の鳥として指定されている。
物語は古代4-5世紀を舞台として、朝鮮からの渡来人による土木工事集団「匠衆」と祈祷師(+彼女を信仰する漁民たち)との対立が描かれる。そして最後は祈祷師ナギと匠衆の長老(爺様)の死(=人柱)によって両者は和解し、新しい時代に向けて歩み始める。観ている途中で気がついたのだが、この台本ってシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きにしているんだね。モンタギュー家とキャピュレット家の諍いはロミオとジュリエットの死をもって贖われる。「ロミオとジュリエット」は20世紀にミュージカル「ウエストサイド物語」(WSS)として生まれ変わるのだが、WSSはプエルトリコ系アメリカ人(シャーク団)とイタリア系アメリカ人(ジェット団)の闘争が描かれる。これが匠衆(渡来人)と祈祷師+漁民(倭人)の関係に繋がっていくのだ。実に巧みな作劇である。そしてその音楽を「渡来人」である高 昌帥が担当していることに深い意味がある。堰を切って川が流れ出す場面で、生徒たちが持った水布(みずぬの)が1階席を縦断していく演出にもやられた。
本作の完成度は高校生の学芸会レベルを遥かに超越しており、関西二期会などプロも絶対取り上げるべきだ。関西発のオペラとしては大栗裕の「赤い陣羽織」が有名だが、「河内湖」はそれに勝るとも劣らない傑作である。梅田先生、是非これを引っさげて東京公演も実現してください。もっと多くの人々に知ってもらうべきです。また大阪府・市は古代ロマン薫る「河内湖」の成果に対して「咲くやこの花賞」あるいは「大阪芸術賞」の贈与を検討すべきだ、とここで力説しておく。梅田先生は間違いなく本作で吹奏楽の新たな可能性を切り開き、大阪から発信する魅力的なコンテンツを生み出したのである。
生徒たちの奮闘も讃えたい。ここは合唱部か、はたまたミュージカル部か!?というくらい皆歌が上手く、独唱者も際立っていた。振付演技指導は日本舞踊「飛鳥流」家元・飛鳥左近が担当。衣装も素晴らしかった。
マーチングの「スタート・レック」はアレクサンダー・カレッジ作曲「宇宙大作戦」のテーマで開始され、途中からジェリー・ゴールドスミス作曲の映画版(1979年)テーマが絡んでくる構成。因みにJ・J・エイブラムスが監督した2009年「スター・トレック」のテーマはマイケル・ジアッキーノが担当しており、これも格好よくて僕は大好きだ。桐蔭のダイナミックなマーチングを堪能した。ドラムメジャー(バトン)の生徒も無茶苦茶上手い!
桐蔭は2014年吹奏楽コンクール全国大会に「キャンディード」で臨み、銀賞だった。僕は「どうして金が穫れなかったのか?」ということを考えながら聴いた。コンクール選抜メンバー55人による演奏。デュナーミク(強弱法)やアゴーギグ(緩急)がくっきりして、精度が高い。「死刑宣告」のホルンが荒いかなと感じたが、トランペットのソロは見事だった。「我らの庭を育てよう」のハーモニーは美しく、十分金賞に値する内容だった。「選曲の問題かな?」と想った。
吹奏楽コンクールデータベースを調べてみると1970年以降、全国大会で「キャンディード」を自由曲として演奏したのは桐蔭を含め10団体である。そして金賞は0。つまりコンクールで金が獲れない曲なのだ。全国大会まで勝ち進むとその後は上手い下手は余り関係なくて、選曲で決まる。これは厳然たる事実である。かつて作曲家の西村朗氏が吹奏楽コンクールの審査員を務めた時、「どの学校も90~95点の仕上がり。選曲と細部の表現の繊細さが最後の勝負だった」と講評し、物議を醸した。「キャンディード」は最後がゆっくり静かに終わるので分が悪い。「宇宙の音楽」とか「華麗なる舞曲」「ダフニスとクロエ」みたいに〆がプレスト~アレグロになって超絶技巧をこれでもか!と見せつける方が審査員ウケするのである。
吹奏楽コンクールで勝てない音楽としてチャイコフスキーが有名だ。伊勢俊之/創価学会関西吹奏楽団や、あの「吹奏楽の神様」屋比久勲 先生ですらダメだった。2014年も金賞常連校の畠田貴生/東海大学付属高輪台高等学校が「白鳥の湖」を、石津谷治法/習志野市立習志野高等学校が「眠れる森の美女」で挑んだが、どちらも銀賞に終わった。畠田先生は周囲から散々「あの曲はやめとけ」と諌められたが、それでも押し切ったという。はっきり言って無謀である。閑話休題。
180人全員の演奏による「火の鳥」はド迫力のサウンドであった。
~3年間の歩み~のコーナーでは当初、中島みゆきの「麦の唄」を歌う予定だった。ところが「先生、あの曲イマイチ」という意見が出て、結局生徒の提案で「ベイマックス」になったそう。~卒業生(8期生)を送る歌~のコーナーも含め、桐蔭得意の映像を交えてのパフォーマンス。いやがうえにも盛り上がる。
今年の卒業生は3年間で約250回の本番をこなしたという。大体4日に1回のペースだ。また来年度は72人の新入生を迎える。特にフルートの希望者が多く、22人中合格したのは4人だけだったそう。
交響曲第1番「指輪物語」などの作曲で知られるヨハン・デ・メイは「ミス・サイゴン」「オペラ座の怪人」「エリザベート」など数多くのミュージカルを吹奏楽用に編曲しているが、「アニー」もあるのは知らなかった。非常に洗練された鮮やかな編曲。
「アナと雪の女王」のアレンジも○。特に「ありのままで」を女生徒全員で歌うのがいい。
アンコールの定番「銀河鉄道999」は今回珍しくロング・バージョン。照明が落とされてミラーボールが回転し、幻想的光景を会場に作り出す。ここまでは良かったが、この演出が曲の最後まで続いたのには閉口した。生徒たちのパフォーマンスも、表情も、暗すぎて見えない!客席の親御さんたちは自分の子供の晴れ姿を見に来ているんでしょ?曲の雰囲気作りなんかどうでもいいい。本来の趣旨を見失っている。序奏だけ暗くして主部に入ったら明るくすべき。来年は改善を望む。
最後に絶対に聴く(観る)べき、僕が推す桐蔭のベスト・パフォーマンスを列記しておく。
- 銀河鉄道999
- アナと雪の女王
- レ・ミゼラブル
- エリザベート
- マイ・フェア・レディ
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コメント
いつも楽しく拝見させて頂いてます。
私は16日(月)の定演を聴きに行きました。
おっしゃる通り、キャンディードは素晴らしい演奏で金賞をとれなかったのが不思議なぐらいでしたが、こちらの記事を読ませて頂いてなるほどなと思いました。
。
あとはマーチングの木星では感動して思わず涙が出ましたね。
ただ、火の鳥はフルメンバー180人による演奏の割には圧倒的な迫力はなかったように感じました。
(致し方ないですが)木管は音が埋もれてしまっていたし、(個人的には)金管ももっとパーンと音が飛んできて欲しかったです。
アンコールはアナ雪もすごく良かったですし、ももくろのバトンも圧巻でした!
投稿: クラリネット吹きの休日 | 2015年2月19日 (木) 21時30分
クラリネット吹きの休日さま、コメントありがとうございます。
「コンクールで勝てる曲」というのは実際にあり、だから勝つためには淀工の丸谷先生みたいに2曲ローテーション(大阪俗謡→ダフニスとクロエ)という方法論は確かに正しいのです。でもどの団体も丸ちゃんのマネを始めたら詰まらないじゃないですか?吹奏楽の未来はなくなってしまう。最近、精華女子にその傾向が見られ(宇宙の音楽→フェスティバル・ヴァリエーション→華麗なる舞曲)、嫌だなぁと想っていたのですが、顧問の藤重佳久先生がこの3月で定年退職と聞いて些かホッとしています。大阪桐蔭は同じ轍を踏まず、常に開拓者精神を胸に一歩前に進んでいって欲しいなと想っています。
「火の鳥」の迫力についてですが、フェスティバルホールはキャパが広い(2,700席)のでザ・シンフォニーホール(1,600席)ほど響かないのは致し方ないところがあります。聴く場所にもよるでしょう。僕は2階席サイド前方だったので、十分音が飛んできましたよ。
投稿: 雅哉 | 2015年2月19日 (木) 22時10分
コメントありがとうございます!
おっしゃる通り、どの団体も同じ曲ばかりだとつまらないコンクールになってしまいますね...。
私は一階席のかなり後方でしたので、期待した程音が飛んでこなかったのかもしれませんね。
または180人という大編成で透明感を失ってしまったのでしょうか。
あとは選曲もあるのでしょうかね。
ずいぶん前ですが、建て直す前のフェスティバルホールのたしか3階席で淀工のグリーンコンサートを聴いたのですが、祝典序曲ではその迫力に圧倒されすごく感動したのを覚えています。(もちろん、ただ迫力があればいいというわけではないですが)
投稿: クラリネット吹きの休日 | 2015年2月19日 (木) 22時56分
クラリネット吹きの休日さん、フェスティバルホールの1階席は音が上空へどんどん拡散していくので音響があまり良くないんですよ。ベストは2階席です。
それから確か淀工の祝典序曲はバンダがありましたでしょう?その効果もあるのでは。
投稿: 雅哉 | 2015年2月19日 (木) 23時47分
ありがとうございます。
なるほど、フェスティバルホールは2階席がベストなんですね!
来年の定期演奏会は2階席を購入してみます。
まさにおっしゃる通りでOBの方々のバンダがかなりいて、丸谷先生は客席の方を向いて振ってはりました。
ちなみにシンフォニーホールも2階席の方が音響が良いんですか?
投稿: クラリネット吹きの休日 | 2015年2月20日 (金) 00時55分
ザ・シンフォニーホールは1階席でも十分音がいいですね。日本でも1,2を争うホールですから。逆に何処で聴いても最悪なのが京都コンサートホールです。あそこはさっさと解体した方がいい。
投稿: 雅哉 | 2015年2月20日 (金) 06時35分
雅哉 様
定期演奏会、ご来場ありがとうございました。
又、素敵な記事、本当にうれしく思います。
河内湖、凄かったですね。
正直、あれ程本格的なものになるとは、思ってもいませんでした。
娘はキャストで出ていましたが、初日お客様の反応を見るまで、凄く不安だったと言ってました。
高先生の素晴らしい曲と素晴らしい衣装が劇の世界を創り、生徒はそれに上手く乗っかれた事が大きかったと思います。
又、バックのスクリーンや演奏に集中力が分散したので、
アラが見えにくかったかも…とも思いました。
ともあれ、高校吹奏楽部にあれ程のミュージカルをさせてしまう梅田先生のお力には驚くばかりです。
河内湖に力が入りすぎて、2部のコンサートが少し物足りない気がしましたが、保護者としては、倒れるギリギリまで頑張った生徒たちに拍手を送りたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: *pino* | 2015年2月20日 (金) 18時34分
*pino*さま、嬉しいコメントをありがとうございます。
平均4日に1回コンサート本番をこなす合間に、あれだけ完成度の高い台本を書き舞台を創作した梅田先生と、その期待に応え見事にパフォーマンスをこなした生徒さんたちに畏敬と賞賛の拍手を送ります。
きっとこれを読まれるであろう梅田先生にお願いしたいのは、是非再演を実現して頂きたいということです。これっきりで終わってしまうには余りにも勿体ない。そして「河内湖」の音楽がコンサートピースに生まれ変わることも期待したいです(吹奏楽コンクール自由曲で勝負とか!?)。大阪から発信する個性豊かな文化が、より多くの人の手に届いて欲しい。それが僕の願いです。
第2部のコンサートが物足りなかったか、ですって?とんでもない。堪能しました。特にアニーとアンコールのアナ雪が良かった。そう申し添えておきます。では、また。
投稿: 雅哉 | 2015年2月20日 (金) 19時13分
身に余るお褒めのコメントを頂き、とても嬉しく拝見しました。
実は、終了ご直ぐに3月12日から訪米するカーネギー公演の内容を詰めるためバタバタして、お礼のコメントが遅くなりました。
カーネギーで「河内湖」のハイライトをしようかなと考え友人に相談していたのですが、下記のようなメールが届きました。
「ミュージカルの動画をありがとうございました。ふるさとの歴史についての認識も新たに、感動しながら拝見したところです。
アメリカ人向けに演奏するのは慎重に考えたほうがいいかもしれません。以下気になった数点です:
・まず冒頭のクジラの漁のシーンですが、ここ数年アメリカで日本のクジラ漁が批判的な角度で注目を受けています。クジラ保護の必要性が叫ばれる中、日本の主張が野蛮だとのイメージも強くなっています。昨年はロス近郊の寿司料理店がクジラの裏メニューを提供していた事により訴追されたという事もあり、冒頭にクジラ漁のシーンというのは、いきなりかっ飛ばしている感があります。
・日本古来のシャーマニズムと渡来人の技術・文化の間の摩擦は、歴史的に大変に重要な事であり、現代における政治問題に示唆する点も多く、その上で民衆のために手を取るというフィナーレも含め、このミュージカルの価値の一つになっていると思います。とても大事な内容なのですが、丁寧に説明しないと理解が限られるのみならず、誤解につながるかもしれません。
地理的・歴史的・文化的な背景を理解して初めてこのミュージカルの価値を評価できると思います。また、中韓への文化的な恩、そして手を取り合って未来を開いていこうというメッセージを込めるとしても、明確にしなければ伝わらない可能性が高いと思います。例えば、英語の資料を一枚だけ用意して、背景とミュージカルに込められたメッセージを解説するというのも一案かもしれません。
アメリカ人といっても、NYはアジア系のご家族は多く、子供さんに楽器を習わせることもよくあるため、こういったイベントへの関心も高いと思います。友好を深める大チャンスでもありますし、その分リスクも高いと思います。以上の点を鑑みて、慎重にご検討ください。少しでも参考になれば幸甚です」
貴重なご意見を頂き、まだまだ、することが沢山あって忙しいですが楽しいですよ!
今日は3年生の保護者と最後の歓談会。お子様の健闘を讃え合うことができました。その中で「3回公演を鑑賞して、やっとあらすじや内容がわかって来て良かった!」とお話される保護者もおられましたよ。
雅哉さんは、公演を1度だけ鑑賞されただけなのに、あれだけ克明に私の意図をご理解頂けていることに敬服いたしました。
どうか、今後ともご声援の程を!
投稿: Umeda | 2015年2月22日 (日) 22時31分
梅田先生、詳細なコメントをありがとうごまいます。畏れ多いです。
僕も「河内湖」をカーネギーホールで上演するには問題が多いと考えます。まずアメリカ人で世界地図から日本の正確な場所を指し示せる人は半数にも満たない、それが現状です。ミュージカル映画「シカゴ」や「イントゥ・ザ・ウッズ」の監督ロブ・マーシャルは2003年に予定されていた来日キャンペーンを、中国でSARSが流行っていることを理由にキャンセルしたことがありました。彼らの日本に対する理解はその程度です。ましてや我が国の歴史についてはチンプンカンプンでしょう。
またクジラ漁についても確かにマズイですね。和歌山県太地町(たいじちょう)のイルカ漁を題材にした映画「ザ・コーヴ」(入り江)が、アカデミー長編ドキュメンタリー賞を受賞したことがあります。文化的誤解と、悪意に満ちた作品でした。レビューは下記URLに書いております。
http://opera-ghost.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/post-4378.html
「河内湖」はいきなりアメリカではなく、まず国内から浸透させていくという戦略が妥当ではないかと想われます。例えば佐渡裕さんが司会を務めるテレビ朝日「題名のない音楽会」とか、藤岡幸夫さん(関西フィル・首席指揮者)がナビゲートするBSジャパン「エンター・ザ・ミュージック」などで取り上げられるといいですね。
ところで梅田先生は生徒さんたちを引率して映画「アニー」をご覧になり、予想とは違ってがっかりされたと伺いました。アメリカにはワースト映画を選ぶラジー(ゴールデン・ラズベリー)賞というのがありまして、昨日「アニー」は残念なことに”最低リメイク賞”を受賞してしまいました。
僕が是非推薦したいのは3月14日に日本で公開されるスティーヴン・ソンドハイム作詩・作曲、ロブ・マーシャル監督のミュージカル映画「イントゥ・ザ・ウッズ」です。これは絶対間違いありません、保証致します。ちなみに「アナと雪の女王」と同じ編曲者であるスティーヴン・ブラによる吹奏楽版楽譜が出版されているようです。
投稿: 雅哉 | 2015年2月23日 (月) 01時02分