ガヴァドン登場!〜柳亭市馬・柳家喬太郎 二人会 (2/22)
2月22日トリイホールへ。
- 桂弥太郎:寿限無
- 柳家喬太郎:抜けガヴァドン
- 柳亭市馬:花見の仇討
- 柳亭市馬:のめる
- 柳家喬太郎:双蝶々
喬太郎は「ウルトラQ」の出囃子で登場。マクラはJR東海が企画したウルトラマン スタンプラリーの話題。全64駅をめぐる冒険。「嫌らしいことに、スタンプは駅の構内ではなく、改札を出たところにあるんです」と、スタンプ帳を客席に披露。
「抜けガヴァドン」は古典落語「抜け雀」のパスティーシュ。バリエーションとしては他に「竹の水仙」や「抜け蟹」(上方の噺家・桂文太による贋作)などがある。土管に書かれた絵から抜け出してくるのがウルトラマンに登場する怪獣というのが最高に可笑しい!どうやらガヴァドンAとガヴァドンBというのがいるらしい。
ガヴァドンA
ガヴァドンB
ガヴァドンAって可愛いね。噺の中では「はんぺん」と表現されていたけれど、どちらかというと生の餃子に近いかな(多分、擬古典主義を意識して中国由来の餃子は回避したのだろう)。
「花見の仇討」はいい声で陽気な一席。「のめる」は上方の「二人癖」。登場人物の気風がいい。
「双蝶々」(ふたつちょうちょう)は三遊亭圓朝 作と言われている。でなんでこんなタイトルなのかといえば圓朝が人形浄瑠璃(後に歌舞伎化された)「双蝶々曲輪日記」からインスパイアされた作品ということらしい。「ガヴァドン」から一転して一切笑いのないシリアスな世界へ。このギャップがまた喬太郎の堪らない魅力である。嫌味な番頭、そして主人公が丁稚を絞め殺すときの迫真の演技。固唾を呑んで見守った。噺全体を貫く諦念であるとか、人間の業の深さに感じ入った。
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コメント
がバドンなつかしー!最後はウルトラマンに宇宙に連れて行かれ、星座になってしまうんでしたっけ? 双蝶々は、前半は鬼あざみと同じでした。どうゆう関連性があるのかな?
投稿: 熊吉 | 2015年3月 1日 (日) 18時51分
熊吉さん、コメントありがとうございます。
あくまで僕の推論ですが「双蝶々」は三遊亭圓朝(1839-1900)作と言われており、六代目三遊亭圓生(1900-1979)が得意とした噺です。 圓生が上方由来の「鬼あざみ」とドッキングさせたという可能性もあるのではないでしょうか?
投稿: 雅哉 | 2015年3月 1日 (日) 19時33分