いずみシンフォニエッタ大阪「リズムの秘法〜世界の創造」
1月24日(土)いずみホールへ。
板倉康明/いずみシンフォニエッタ大阪で、
- コープランド:アパラチアの春
- ディアナ・ロタル:シャクティ
〜サクソフォンと室内オーケストラのための協奏曲 - リゲティ:ピアノ協奏曲
- ミヨー:世界の創造
独奏は西本淳(サクソフォン)、福間洸太朗(ピアノ)。
開演前にロビー・コンサートもあり、佐藤一紀、高木和弘のヴァイオリンで、
- ミヨー:ヴァイオリンのための二重奏曲より第1楽章
- モーツァルト:4つのシュピーゲル・カノンより
- モーツァルト:トルコ行進曲
シュピーゲル・カノンは日本語で「鏡」「鏡カノン」と訳され、楽譜は上下どちらからでも読む事が可能。二人のヴァイオリニストが向き合って一つの楽譜を奏者の間に置き、各々の目線から演奏していくことで二重奏になるというユニークな趣向。いわゆる音楽の冗談だ。ケッヘル番号はK.Anh C10.16。Anh.Cは偽作、あるいは偽作と疑わしいものを示すらしい。愉しいものを聴かせてもらった。
「アパラチアの春」でコープランドはピューリッツァー賞を受賞した。今まで聴いた実演はフル・オーケストラ(初演後に作曲者自身が2管編成に書き直したもの)だったが今回は12人による小編成オリジナル版。スッキリとした響きで清々しい演奏。ときおり鋭い解釈も。
ディアナ・ロタルはルーマニアの若手作曲家(1981〜)。彼女の母ドイナ・ロタルも同業だという。「シャクティ」は国際作曲家コンクール・入野賞受賞作。冒頭はソプラニーノ・サクソフォンのマイスピースを外して吹き、パンフルート(ルーマニアにはそれに似たナイという民族楽器があるという)みたいな音色がした。更にソリストはバリトン、アルトとどんどん楽器を持ち替えてゆく。爆発するエネルギー、新しい響きを求めた模索の旅。面白い!
リゲティはポリリズムを駆使した複雑な曲。でもゲンダイオンガクに有りがちな難解さはない。すんなり受け入れられた。ピアノは淡々、粛々と進行。まぁショパンとかシューマンみたいにロマン派じゃないんだから感情を込められても仕方ないだろう、この曲は。
アフリカを舞台にしたミヨーの「世界の創造」は色彩感が豊かで、タヒチで描かれたゴーギャンの絵を連想した。両者は根源的なところで繋がっていると感じられた(どっちもフランス人だし)。
ポール・ゴーギャン「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」
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