12月19日(金)、20(土)大阪ビジネスパーク TWIN21アトリウムへ。
「笑ってコラえて!」や「24時間テレビ」などへの出演で全国的にも名が知られるようになった大阪桐蔭高等学校吹奏楽部によるX-mas「180人のサンタコンサート 2014」を聴く。 無料。総監督・指揮者は梅田隆司先生。
昨年は「招待席」に空席が目立ち、一方で立ち見の一般客が沢山いたと書いたが、今回はその「招待席」がなくなっていた。また以前定期演奏会の感想で編曲者を明記してほしいと書いた翌年には改善されており、梅田先生の真摯な姿勢には頭が下がる。
ただ、来年2月の定期演奏会チケット先行販売が会場であったのだが、申込用紙を受け取るまで並んで40分掛かり、さらに購入まで20分、計1時間も立ちっぱなしで待たされて閉口した。いくら素人とはいえ、運営方法が未熟過ぎる!来年は再考を望みたい。具体的対策としては、
- 販売開始時刻を1時間早める
- 申込用紙記入テーブルをもっと増やす
などを挙げたい。
ところでその定期は2015年2月15日(日)、16日(月)にフェスティバルホールで開催されるが、創部10周年記念ということで創作ミュージカル「河内湖(かわちこ)」が初演される。作曲は吹奏楽コンクールでも引っ張りだこの高 昌帥(こう ちゃんす)。期待で胸が高鳴る。「河内湖」から来年桐蔭が吹奏楽コンクールで演奏する自由曲が生まれるかも知れない。
また来年3月15日にはニューヨークのカーネギーホールで演奏会をし、17日にはセント・パトリック・デー・パレードへの参加も決まったとか。

さて、サンタコンサートはそれぞれ50分の演奏が金曜日に3ステージ、土曜日に4ステージあり、総計40曲。なんと重複するプログラムは一切なし!(このバンドは100曲位のレパートリーがあるらしい。)例えば金曜日の3ステージには全てX-mas メドレーがあったが、アレンジは違っていた。僕が聴いたのは、
- ウィンター・ワンダーランド in Swing(福田洋介 編)
- ジブリ・シネマコレクション
- X-mas メドレー Part I
- ビートルズ・メドレー
- ひまわりの約束〜STAND BY ME ドラえもん
- X-mas メドレー Part II
- 北国の春〜北酒場
- サザン・メドレー
- キャンディーズ・メドレー
- SMAPメドレー
- 東京ブギウギ
- X-mas メドレー Part III
- アラジン・ハイライト
- マイ・フェア・レディ
- 坂本 九 メドレー
- 復興支援ソング花は咲く
- ジングル・ベル
- リトル・マーメイド
- 赤鼻のトナカイ
- ホワイト・クリスマス
- 名探偵コナン
- 新プリキュア〜トッキュウジャー
- WakeUp〜ゲラゲラポー〜妖怪体操〜ゲゲゲの鬼太郎〜アンパンマン
交響組曲「ジブリ・シネマコレクション」(編曲者不詳)より<ハトと少年(天空の城ラピュタ)〜鳥の人(風の谷のナウシカ)〜時代の風(紅の豚)〜マンマユート(紅の豚)〜空中散歩(ハウルの動く城)〜ふたたび(千と千尋の神隠し)〜ゴンドアの思い出(天空の城ラピュタ)〜荒地の魔女(ハウルの動く城)〜アシタカとサン(もののけ姫)〜さんぽ(となりのトトロ、合唱付き)〜世界の約束(ハウルの動く城)〜となりのトトロ>はアレンジが凄く良かった。「ふたたび」はオーボエとフルートの二重奏(ソロ)が美しい。また梅田先生は声楽科出身ということもあり、ここは歌の精度が高く、合唱コンクールに出場しても入賞するんじゃないか?というくらいのレベルである。
X-mas メドレー Part I は<クリスマス・イブ〜恋人はサンタクロース〜すてきなホリデイ>、PartII はXmas Swingin' コレクション(福田洋介 編)で<サンタが街にやってくる〜赤鼻のトナカイ〜サンタクロースがやってくる〜きよしこの夜〜荒野のはてに〜もろびとこぞりて〜We Wish You A Merry Christmas〜ホワイト・クリスマス>、PartIII はHappy!Happy!!Happy!!!Xmas(林 直樹 編)でマライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」、ワム!「ラスト・クリスマス」、ジョン・レノン「Happy Xmas (War is Over)」の3曲を中心に、「ジングル・ベル」「第九」「もろびとこぞりて」「きよしこの夜」「主よ、人の望みの喜びよ」が織り込まれている構成。
「アラジン」はジョン・モス編。〈アラビアン・ナイト~ひと足お先に~結婚の発表~ホール・ニュー・ワールド~ジャファーの出番~アリ王子のお通り~フレンド・ライク・ミー~ハッピー・エンディング〉
「サザン・メドレー」は杉本幸一編曲。〈TSUNAMI~チャコの海岸物語~HOTEL PACIFIC~いとしのエリー~勝手にシンドバット〉11分。TSUNAMIの木管五重奏(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン)によるアンサンブルが僕のお気に入り。
「マイ・フェア・レディ」の洒落た編曲はロバート・ラッセル・ベネット。オリジナル作品としては「バンドのためのシンフォニック・ソング」「古いアメリカ舞曲による組曲」がある。<運がよけりゃ~君住む街角~ああ、なんて幸せ!~まずは教会へ~忘れられない君の顔~踊り明かそう>のメドレー。
曲の合間に梅田先生のM.C.あり。いままで推薦入学で毎年60人位の生徒を受け入れてきたが、来年度は少し増員して70人の内定者が決まった。現在部員数は180人程度だが、近い将来200人を超えるだろう。新入生は入学式前の2月下旬から学校に来て自主練習を始め、4月初頭から本番に出演する。各パートごとに募集するがフルートは特に人気があって、4人/年の募集に対して希望者が12人位いる。人数の多いクラリネットの方が競争率が低いので、うちの学校を希望している人はそちらをお勧めする。また、よく生徒たちから卒後の進路相談を受けるが、プロ奏者になるために音楽大学を受験することだけは止めておけと助言すると。「そんなの無理!」音楽で身を立てられる人はほんの一握り(それでもプロになった卒業生は数名いる)。「音大行ってどうするの?」ただし、教師を目指す人は応援する等といったお話があった。
お酒を飲めない梅田先生だが、北新地のバーでピアノを弾いていたことがあるという、意外な過去も明らかに。

金曜日のアンコールで演奏された「アナと雪の女王」シンフォニック・ハイライトはスティーヴン・ブラ編曲(推定)で、<氷の心〜Let It Go〜雪だるまつくろう〜生まれてはじめて〜エピローグ>。Let It Goは女子生徒による合唱(フルコーラス)付きで感動的だった。「アナ雪」から世界が変わる、そんな実感があった。来年の定期で是非また聴きたい。
また昨年演奏されなかった「銀河鉄道999」(樽屋雅徳 編、歌付き)が最後にあったのも嬉しかった。これがないと寂しいからね。
翌土曜日のKid's Stageには3歳の息子を連れて行ったのだが、最初の曲からノリノリで、「ゲラゲラポー」や「妖怪体操」は立ち上がり高校生のお兄さんお姉さんたちと一緒に歌って踊ったりして、とても愉しそうだった。
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