宝塚月組/ミュージカル「PUCK」、ショー・ファンタジー「CRYSTAL TAKARAZUKA」
10月30日(木)、宝塚大劇場で月組公演ミュージカル「PUCK」、ショー・ファンタジー「CRYSTAL TAKARAZUKAーイメージの結晶ー」を観劇。
「PUCK」はシェイクスピアの「真夏の夜の夢」をベースにしたミュージカルで作・演出は小池修一郎。1992年にフェアリーと呼ばれた涼風真世主演で月組が上演し、再演の呼び声が高かった作品。小池(作詞)/松任谷由実(作曲)による爽やかな主題歌「ミッドサマー・イヴ」が耳をくすぐる。「真夏の夜の夢」だけではなく「マクベス」に登場する三人の魔女の台詞「きれいはきたない、きたないはきれい」も引用される。
月組のトップ・スター;龍 真咲は気の毒な人だ。お披露目となった「ロミオとジュリエット」がまさかの明日海りおとの役替り(ロミオ⇔ティボルト)、今回の「PUCK」は涼風真世のお古(再演)。明日海りお(現・花組トップ)とか柚希礼音(星組)と比べると歌劇団から「大事にされていない」という印象が強い。
ところが意外にも(失礼!)、パックが似合っていたので驚いた。ちゃんと妖精としてそこに存在していた。彼女は「スカーレット・ピンパーネル」のショーヴランみたいな黒い(悪)役が相応しいと想っていたのだけれど、白い役もいけた!「これってあて書き?」と錯覚するくらい。そしてスカピン時代に比べるとずっと歌も上手くなった。さすがトップ、「男役十年」は伊達じゃない。ふたりきりで静かに幕を閉じる最後もほのぼの幸せな気持ちになれてジーンとした。僕は本作の涼風版をNHK-BSで観たのだが、正直つまらなかった。ところが今回はすこぶる面白かった。やはり舞台って生もの(ライヴが一番)だなと痛感した次第である。
ショーの作・演出は中村 暁。歴代の宝塚レヴューの最高傑作は「ノバ・ボサ・ノバ」(1971年初演、鴨川清作)と「パッサージュ」(2001年、荻田浩一)だと僕は確信しているのだが、「CRYSTAL TAKARAZUKA」は第3位にしてもいいというくらい気に入った。突出した才気を感じさせるわけではなくあくまでオーソドックスなのだけれど、極めて洗練されている。娘役トップの愛希れいかがまた抜群に踊れる娘(こ)なので、観ていて気持ちいい!
ところで水晶がゴツゴツ飛び出している舞台装置を観ていて、「何かに似ているな…」と既視感に襲われた。しばらく考えてふと思いだした。スーパーマンの故郷、クリプトン星だ!おしまい。
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