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2014年11月15日 (土)

「はじめてのお能」@兵庫芸文

11月9日(日)兵庫県立芸術文化センターへ。

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「はじめてのお能」は公演のタイトルで、僕自身は過去にブリテンのオペラ「カーリュウ・リヴァー」の原作となった「隅田川」などを観ている。

  • 舞囃子「融(とおる) 舞返
  • ワキ語り「藤戸」
  • 居囃子「勧進帳」
  • 素囃子「天鼓」より〈盤渉楽〉/「道成寺」より〈祈り〉
  • 半能「井筒」

半能とは後半部分のみ上演すること。

お能は室町時代に最盛期を迎えたが、世の無常もののあはれ幽玄を感じさせる芸能である。福永武彦の「風のかたみ」はそのお能の世界との親和性を強く感じさせる小説だ。

西洋の芸術は総じて空間・空白を埋め尽くそうという意図があり、例えば絵画で背景を塗りつぶさない(地のまま)ということは稀有だ(↔水墨画とは対照的)。西洋音楽も饒舌で、あたかも無音(全休止)を恐れているかのよう。対してお能は空白=無を愉しむところが特徴的。音曲はしばしば中断し、美術セットも殆どなく(「井筒」は井戸だけ)茫洋たる空間が広がっている。そこが味わい深い。

フルートという楽器は吐き出す息をできうる限り掠れない音に変換しようと務める。一方、能管(横笛)や尺八は意図的に風の音を強調する。音楽が自然と融合・調和しているのである。だから全く価値観が違うんだよね。

現代人がお能や文楽(浄瑠璃)を愉しむためのコツ。基本的に使用されている言語が分からないと思っていた方がいい。つまりイタリア・オペラを鑑賞するようなつもりで予習が必要ということ。この点で落語とか狂言とは異なる。

お能については「the 能 .com」というサイトが便利。「演目辞典」をクリックすると、あらすじ・現代語訳・英語訳などが手に入る。僕はこれを印刷して臨んだので「井筒」はバッチリだった。古典芸能の魅力を堪能した。

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