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2014年11月21日 (金)

今年は宮沢りえの年!〜映画「紙の月」

評価:A+

Kami

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吉田大八監督「桐島、部活やめるってよ」は最早映画ファンの間で伝説となり、神聖視されてると言っても過言ではないだろう。だから期待して映画館に足を運んだわけだが、またまたガツンとやられた!恐れ入った。吉田監督、貴方に一生ついてゆきます。

宮沢りえ(41)が凄い。なんか突き抜けている。今年の主演女優賞は彼女が総なめだろう。何と7年ぶりの映画出演だそうで、30代は舞台中心に活動し演技力を磨いたという。「こんなに上手かったっけ?」と感嘆した。

僕は昔から角田光代との相性がよく、直木賞を受賞した小説「対岸の彼女」とか「八日目の蝉」とか大好きである。ただ「紙の月」は未読で予備知識なしに観て、やはり面白かった。後で知ったのだが主人公が働く銀行の同僚、相川恵子(大島優子)と隅より子(小林聡美)は映画オリジナル・キャラクターだそうで、原作を大胆に脚本しているようだ。しかし全く違和感はなかった。大島優子とか「ファウスト」のメフィストフェレス的役回りで、可愛い小悪魔として魅力を放散していた。

あらすじを目にした時は「犯罪に手を染めた女が逃亡する」って、まるで「八日目の蝉」と同じじゃない?と危惧したのだが、「八日目…」は赤ちゃんを誘拐し逃げるのが物語の発端であり、対して本作は逃亡に至るまでの過程がメインだった。

「八日目…」と「紙の月」の共通点は女としてこの世に生を受けたことのあはれ、虚無感、そして諦念である。しかし「紙の月」が異なるのはその閉塞空間を主人公が最後に突破し、その彼方に希望を見出すことだ。

基本的に映画はまるで月の光を浴びているかのような青白い画面で進行するのだが、年下の大学生とヒロインが情事するホテルでいきなり壁紙が真っ赤になり、しかしその色彩も次第に褪せてゆく。ところがラストシーンではっきりとした暖色系に変化し、彼女がいま「(紙の月=贋物の世界ではなく、確かな現実を)生きている」のだという確信を観客に与えるのだ。実に鮮やかだった。

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