ゲルギエフ/マリインスキーのマーラー
10月11日(土)ザ・シンフォニーホールへ。
ワレリー・ゲルギエフ/マリインスキー歌劇場管弦楽団で、
- ストラヴィンスキー/バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)
- マーラー/交響曲 第5番
客席の入りは6〜7割といったところ。S席が2万円で、一番安いD席1万円だけびっしり満席。
2曲ともオケは対向配置。ゲルギーはいつもの爪楊枝?/マッチ棒?みたいな短い指揮棒を使用。ある人に言わせると「あれは爪楊枝より長いから串だ!」そう。ステージ後方の奏者から目視可能なのだろうか??
「火の鳥」は粘り腰で、どっしりとしたロシアの大地を連想させる。重心は低く、ずしりと腹にこたえる響きだが決して重過ぎはせず、泥臭くもない。熱い生命力を感じさせる演奏。
マーラーの冒頭はトランペットの強奏が強烈。沈鬱な足取りでしっかりと葬送行進曲であることを想起させた。第1楽章 最終音のピッツィカート手前でたっぷりと間(総休止)を取り、印象深かった。第3楽章は漲る気迫、金管がごっつい音で咆哮する。これぞロシアン・ブラス!マーラーの出生地・ボヘミアの自然が描かれ、目一杯生を謳歌する。第4楽章アダージェットはネットリ濃厚。でもテンポは決して遅くない。ディープ・キスを目の当たりにしているようなエロスがあった。第5楽章は無邪気な子どもたちの遊びの情景。最後はアグレッシブに畳み掛け史上最速、狂気すら感じた。僕はかの有名なムラヴィンスキー/レニングラード・フィルによる「ルスランとリュドミラ」序曲を想い出した。
今回の演奏を聴きながら、「この交響曲って、人生を逆走するというコンセプトがあるんじゃなかろうか?」と想った。文字通り第1楽章 葬送行進曲は「死」を意味し、第4楽章は「恋人たちの時間(青春)」、そして終楽章が「子供の情景」なのだから。
完璧なアンサンブル、驚異の機能集団に感嘆した土曜日の昼下がりであった。
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