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川瀬賢太郎/大響「ロマンティック・ロシア」

10月16日(木)ザ・シンフォニーホールへ。

川瀬賢太郎/大阪交響楽団、ピアノ独奏:田村 響

  • チャイコフスキー/幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
  • ショスタコーヴィチ/ピアノ協奏曲 第2番
  • ラフマニノフ/交響曲 第2番

とにかく弱冠30歳の指揮者・川瀬の才能に刮目した。

目いっぱいのダイナミクスの変化、キレキレのリズム、音楽の弾けっぷり、緊張とその緩和の鮮やかなコントラスト。コイツは凄い!

僕が今まで実演を聴いた若手指揮者(40歳未満)で将来が有望だと感じたトップ3はダニエル・ハーディング、グスターボ・ドゥダメル、クシシュトフ・ウルバンスキなのだが、その後に続く者としてヤニック・ネゼ=セガン、ヤクブ・フルシャ、山田和樹、そして川瀬賢太郎を挙げたい(はっきり言うがアンドリス・ネルソンスは、世間の評価ほど大したことはない)。

20歳でロン・ティボー国際コンクールに優勝した田村のピアノは確かに上手くてミスはなかったけれど、音が流れる水のように耳から耳へ抜けていって、後に何も残らなかった。

ラフマニノフはよく「映画音楽みたい」と揶揄されるのだが、交響曲 第2番が実際映画に使用されたことは殆どない。プロの間でこのシンフォニーの評価は低く、例えば「名曲大全」とも言える夥しいレコーディングを残したヘルベルト・フォン・カラヤンは一度も録音していない。ラフマニノフの交響曲を振らない指揮者としては小澤征爾、バーンスタイン、ハイティンク、アバド、ムーティ……と枚挙に暇がない(それなのにピアノ協奏曲は皆レコーディングしている)。母国ロシアでもムラヴィンスキーなどは完全無視である。美しい旋律には溢れているのだが、なんというか長いくせに構成が緩く、ダレるんだよね。間延びしている(曲が冗長すぎると昔は習慣的にカットして演奏されていた。詳しくは→ こちら)。そこを川瀬は面白く聴かせてくれて飽きなかった。以前聴いた大植英次/大阪フィルの実演より断然良かった。

ところで川瀬が「シェフからのメッセージ」に書いた、(「ロメオとジュリエット」について)「チャイコフスキーが誰も気付かないような仕掛けをクライマックスでの愛のテーマでしている事」って一体何?何??すごく気になる。誰か教えて!大響奏者の方、読まれてますよね?

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コメント

読んでいます。w

これは川瀬君の考えなので、仕掛けについては私からはあくまでヒントだけ。
クライマックスで再現するトゥッティffでの愛のテーマ(後半)のところで、注目すべきはトランペット1stの声部。
そのやっている音を順に追うと、おや、あのメロディーになりませんか?
つまり、愛の絶頂で、その終わりを予告しているのです、というのが川瀬君の説でした。
スコアを見て、ニヤリとしてください。

投稿: ふーじー | 2014年10月20日 (月) 19時30分

ふーじーさん、早速のコメントをありがとうございます。期待はしていましたが、まさか記事をアップして24時間以内に反応いただけるとは思ってもみませんでした。

正直、聴いただけではチャイコフスキーの仕掛けたことが見えてきません。スコアを取り寄せて確認したいと思います。当然提示部ではなく、再現部の方ですよね?

実はこの曲にはもうひとつ秘密があって、終結部の低弦の動きがレナード・バーンスタイン作曲「ウエストサイド物語」〜Somewhereのメロディとして引用されているんですよね。同じ話ですから。

ゲイだったチャイコフスキーが男女の悲恋を描く「ロメオとジュリエット」に対してどういう想いを持っていたのか、興味深いところです。

ところで児玉宏シェフが来年度をもって音楽監督から退任されると知り、少なからずショックを受けています。しかし考えてみると就任中の8年間、ほんとうに愉しい体験をさせてもらいました。未知の世界を探検する歓びがありました。返す返すも残念なのは名曲コンサートで予定されていたライネッケ/交響曲第1番が児玉さんの急病で演奏されなかったことと、もう一度ブルックナーのシンフォニーをチクルスとして通して聴きたかったことです(レコーディングも!)。先月の00番のレビューは未だ書いていなかったので、近々上げる予定です。

投稿: 雅哉 | 2014年10月21日 (火) 08時25分

ふーじーさん、漸くスコアを買い、謎が解けました。グレゴリオ聖歌「怒りの日」ですね!チャイコフスキーが他で使っていないかを調べたところ、歌曲集「6つのロマンス」作品16の第6曲「新しいギリシャの歌」の旋律がまんま「怒りの日」でした。これは「ロメオとジュリエット」と同時期に作曲されており、川瀬さんの説は間違いないと確信します。また「マンフレッド交響曲」改訂版の終楽章、パイプオルガンが加わるコーダで低音部が繰り返し「怒りの日」を奏でますね。

投稿: 雅哉 | 2016年6月 9日 (木) 08時49分

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